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【生前贈与の“正しいタイミング”】鉄則は「70歳から余裕分だけコツコツと」 “早すぎ”“渡しすぎ”はNG、自分たちで使い切ることも視野に

生前贈与が早すぎるのはNG(写真:イメージマート)

生前贈与が早すぎるのはNG(写真:イメージマート)

 相続のことを考えて、お金を子供や孫に残そうと贈与をする際には注意点がある。気をつけたいのが「早めに渡しすぎる」ことだ。ファイナンシャルプランナーの大割克美氏が指摘する。

「現在は年間110万円までの贈与が非課税になる『暦年贈与』をはじめ、2500万円までの贈与ができ年間110万円の基礎控除が創設されて使いやすくなった『相続時精算課税制度』、最大1500万円まで教育資金を非課税で贈与できる『教育資金の一括贈与の特例』など生前贈与が充実しています。しかし生前贈与をやりすぎて、老後資金を枯渇させてしまってはいけません」

 大割氏は贈与の危険なタイミングは75歳以降の人たちだという。

「生前贈与をしすぎて失敗した人の多くが75歳以降で、やや判断能力が鈍ってきたケースが多いと感じます。生前贈与のベストなタイミングはまだ判断力や行動力に余裕がある70歳くらいがいい。ただし、そこで大盤振る舞いをして老後資金を枯渇させてしまっては元も子もない。70歳時点で改めて老後資金を試算し、余裕がある分だけを贈与に回すことです。もちろん贈与せず、自分たちだけで使い切ってもいいでしょう」

 このように、老後資金にはいたるところに落とし穴がある。

「リタイア後も思った以上に出費は多く、毎月の家計が赤字という家庭は多い。退職金に安穏として浪費したり、無駄な出費を止めずにいれば、貯金が2000万円あってもあっという間に老後資金は枯渇してしまう。逆にいえば、仮に貯金が300万円でも、家計を正確に把握していくら足りなくなるのか、いくら稼げばいいかを理解していれば充実の老後生活は十分に実現できるということです」(大割氏)

 正しく増やし、正しく使う。それができれば老後からでも成り上がることは可能だ。

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※週刊ポスト2025年10月10日号

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