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【注目トピックス 日本株】一正蒲 Research Memo(6):第二次中期経営計画で1stステージ「成長軌道への5年」の実現を目指す(1)

*12:06JST 一正蒲 Research Memo(6):第二次中期経営計画で1stステージ「成長軌道への5年」の実現を目指す(1)
■一正蒲鉾<2904>の中長期の成長戦略

1. 「ICHIMASA30ビジョン」の概要
同社は2015年の創業50周年を機に、2045年度(2046年6月期)のありたい姿を描いた「ICHIMASA30ビジョン」を策定した。30年を10年ずつ3つのステージに分け、各ステージを5年ごとの“第一次・第二次中期経営計画”で構成している。中期経営計画にはバックキャスティング思考で検討した課題とその解決のための戦略・戦術を織り込んでいる。

1stステージ(2017年6月期~2026年6月期)は、収益力・財務基盤強化、海外事業の構築を目標とする「成長基盤創りの5年」の第一次中期経営計画(2017年6月期~2021年6月期)を終了した。現在は「成長軌道への5年」と位置付けた第二次中期経営計画(2022年6月期~2026年6月期)を推進している。2ndステージは、「成長の10年」と位置付け、水産練製品・惣菜事業の拡大、海外展開の加速、新領域への参入を目標とする。3rdステージは「飛躍の10年」とし、国内練製品市場のベストカンパニー、海外多極化展開、新領域確立を目指す。

ゴールとなるありたい姿は「グローバル企業」「食品バイオ企業」であり、あらゆるステークホルダーに“食”を中心に“幸せ”と“喜び”を届ける「あたたかい企業」としている。「グローバル企業」は“安全・安心”に“健康・環境”と“心の豊かさ”をプラスして世界中に日本の“食”で貢献する姿である。「食品バイオ企業」は常に技術を探求し、未来に向けてあらゆる“食”の情報を発信する姿を指している。

2. 第二次中期経営計画と重要戦略
第二次中期経営計画は、「国内外のマーケットへの果敢なチャレンジを通じ、事業の成長力・収益力基盤を確立し、ファーストステージ「成長軌道への5年」を確実に実現する」を基本方針としている。国内マーケットでは、商品力・生産力・販売力を磨き、競争優位性を実現しシェア拡大を目指す。国外マーケットでは、成長マーケットを分析し拡販を推進する。

同社は、市場環境の急速な変化や原材料価格の高騰を受け、2025年6月期決算を見定めた上で目標値を下方修正した。なお、当初の数値目標は意欲的な水準で策定されており、足元の状況との乖離は同社自身も認識していると見られる。当初は2026年6月期の売上高400億円、営業利益26億円、営業利益率6%、ROE10%、ROIC9%を掲げていたが、修正後の目標は売上高362億円、営業利益11億円、営業利益率3%、ROE5%、ROIC4%である。

同社は、株価と資本コストを意識した経営の実現を目指し、2023年6月期よりROICを本格導入した。2025年6月期の実績はROE5.1%、ROIC2.6%と当初の目標数値とは大きく乖離した。そのため、2026年6月期はROICツリーを各部署共通の指標とし、すべての部門がベクトルを合わせて営業利益率の改善と投下資本の効率化による収益基盤の強化に取り組んでいる。また、2025年6月期末の株価は744円、PBRは0.92倍と1倍を下回った。当初の2026年6月期の目標株価は900〜1,100円、PBR目標は1.1〜1.3倍としていたが、今回株価800円以上、PBR1.00倍以上への回復を目標に設定した。

2024年6月期から2026年6月期までの3期で創出する営業キャッシュ・フローは、当初の90億円から80億円に修正し、政策保有株式売却5億円はそのまま据え置いた。キャッシュ・フローの配分については、維持更新・省エネなどの設備投資は28億円から27億円に、合理化・省人化投資・環境投資・人的資本投資・研究開発投資・DX投資・M&Aなどの成長投資は58億円から50億円に、株主還元は9億円から8億円に下方修正した。さらに、財務健全性については、D/Eレシオを原則1倍以内、自己資本比率は2026年6月期以降50%台の維持を目指す。

修正後の第二次中期経営計画を達成するための重要戦略である「変革と創造」「選択と集中」「DX」「新規事業」「アライアンス」に基づき、2026年6月期は「事業構造改革」「合理化設備投資の推進」「KIFの連結子会社化・海外事業の成長」「新規事業開発の促進」「組織風土改革」を推進する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本 章弘)

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