*10:12JST 株式会社ティムス:2025年12月期中間決算説明会文字起こし(7)
株式会社ティムス<4891>:2025年12月期中間決算説明会文字起こし(6)の続き
■質疑応答
司会
ありがとうございました。ここからは質疑応答に移ります。
★質問
「ORION試験の中間解析の可能性はあるでしょうか。」というご質問です。
●若林社長
ご質問ありがとうございます。
「中間解析」という表現の捉え方にもよりますが、Part1からPart2へ移行する際に一定の解析は実施される予定です。ただし、その結果を公表できるかどうかは現時点では確約できません。本試験はCORXEL社が主導しており、情報開示にはCORXEL社の承諾が必要となります。しかし、当社にも重要事実に関する開示義務がありますので、法令に基づき開示すべき事象であれば、CORXEL社においても同意しなければならない取決めとなっています。当社としては企業価値に大きな影響を及ぼす事項であると考えていますので、できる限り開示できる方向で調整していきたいと考えています。
★質問
「治験情報サイトでは中国、米国、ブルガリア、イタリア、スペインの施設が開示されています。他の国の施設の状況はいかがでしょうか。」というご質問です。
●若林社長
ありがとうございます。開示できる範囲で申し上げますと、当初計画では約20か国・150施設での実施を予定しています。現時点で公表されているのはアメリカ、中国、日本、イタリア、スペイン、ブルガリアの6か国ですが、それ以外の複数の国でも治験申請を行っている状況です。各国の状況については、順次ClinicalTrials.govなどの公的データベースに開示される見込みですので、当社からは現段階での詳細開示は控えさせていただきます。
★質問
「現在、コストが想定レンジの下限で進捗しているとのことでしたが、上限シナリオとの違いはどのような部分にありますか。」というご質問です。
●若林社長
ありがとうございます。
具体的な数値は控えますが、概ねの傾向として申し上げます。まず、TMS-007の試験費用が当初想定よりやや下回っている点がございます。
また、TMS-008に関しても、保守的に見積っており、費用計上をやや前倒しで計画していましたが、現状ではその支出が抑えられています。
今後4ケ月間の進捗によっては費用計上が変動する可能性もありますが、現段階においては想定の下限に近い水準で推移しています。
さらに、戦略的な案件対応のための費用も一定程度織り込んでいますが、該当する動きがなければ計上されない性質のものとなります。
★質問
「仮にTMS-007とSovateltideの両方がFDA承認された場合、どのように対応されますか。御社の展望をお聞かせください」という質問です。
●若林社長
ありがとうございます。
一概には言えませんが、まず両者の作用機序が異なる点がポイントです。TMS-007血栓溶解作用を有しますが、Sovateltideにはその作用がありません。したがって、仮に両剤が同時に承認された場合でも、作用機序の違いから併用することよって、より良い結果が得られることも想定されうるのではないかと考えています。
一方で、急性期脳梗塞治療では同時に複数の薬剤を使うことは難しい可能性もあります。その場合は、より高い有効性が確認された方が優先的に使用されるというシナリオも考えられると思います。また、投与方法にも違いがあります。双方ともに静注剤ですが、TMS-007は単回投与で完結しますが、Sovateltideは3日間×3クール、計9回投与が必要です。そのため、投与の簡便さという観点ではTMS-007が選ばれやすいのではないかと考えています。
最終的には、臨床試験の結果や医療現場でのニーズに応じて、どちらかが優先的に使われるか、或いは使い分けが進むのかが決まってくると思います。
★質問
続いて、「来期の費用の方向性を教えてください。今期の10か月決算から12か月に戻ることで増える分を上回るような費用増を見込んでいるでしょうか。特に増減が目立つ費用についても教えてください。」という質問です。
●若林社長
ありがとうございます。
現時点では来期以降の費用については確定的な数字は申し上げられませんが、基本的な考え方としては今期と同程度、もしくはややプラスアルファの水準で費用をコントロールしていく方針です。
特にTMS-007「ORION試験」は大規模な臨床試験ですが、当社が直接負担するのは日本国内分のみです。契約上、日本での費用の75%(上限1,000万ドル)をCORXEL社が負担する取り決めとなっており、当社の負担が極端に増えることはない見込みです。
★質問
「TMS-008について、他社への導出ではなく自社でPh2臨床試験を行う理由を教えてください。また、Ph3臨床試験を実施する場合は導出の可能性はありますか。」というご質問です。
●若林社長
ありがとうございます。
基本的なシナリオとして、まずヒトで有効性(POC)を確認してから導出を検討するという戦略を取っています。これはTMS-008に限らず、当社のすべてのパイプラインに共通する考え方です。プロジェクト価値を最大化するうえでヒトでのPOC取得は非常に重要であると思っています。また、当社の資金ポジションを踏まえると、POC確認後に導出する方がリターンを最大化できると考えています。もっとも、現時点で他社から十分な評価を得られるオファーがあれば、真剣に検討する方針です。
(※補足)Ph3臨床試験の実施段階では、導出もしくは自社での販売体制構築のいずれも選択肢にあります。
当社は現在販売部隊を持っていませんが、プロジェクト価値を最大化できるのであれば販売部門の立ち上げも排除していません。
★質問
「TMS-008Ph1臨床試験の詳細データ発表の予定はありますか。」
●若林社長
ありがとうございます。
現時点では、TMS-008のPh1臨床試験の結果を学会や論文で公表する予定はありません。
★質問
続いて、「TMS-007の日本の権利は導出される予定でしょうか。また、その時期はいつ頃をお考えでしょうか。」という質問です。
●若林社長
ありがとうございます。
現時点で具体的な方針が決まっているわけではありませんが、導出も選択肢の一つとして検討しています。
一方で、当社自身で販売部隊を立ち上げる可能性も否定していません。
最終的には、プロジェクト価値の最大化と当社の資金状況を総合的に判断し、最適な選択を行っていきたいと考えています。
司会
ありがとうございました。ご質問は一巡しましたので、これにて質疑応答を終了いたします。
最後に若林社長よりご挨拶をお願いいたします。
若林社長
改めまして、本日はご参加いただき、誠にありがとうございました。
また、活発なご質問を多数いただき、心より感謝申し上げます。
当社は引き続き、企業価値の向上に向けて社員一同全力で取り組んでまいります。
今後ともご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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