卒業生ゼロは初めてのことだという(写真・時事通信フォト)
秋のG1が「スプリンターズステークス」(9月28日=中山)から始まるが、騎手を育成する競馬学校(千葉県白井市)の来春卒業生がゼロになることをJRAが公表した。1982年の開校以来、卒業生がゼロになるのは初めてのことだという。
JRAが運営する競馬学校では、3年間騎乗技術などを学び、騎手免許試験に合格すると騎手としてデビューできる。競馬担当記者が言う。
「3年間にかかる費用は食事代120万円だけ。騎手過程にかかる費用はすべて無償化されています。応募資格は中学卒業以上の学歴と学力を有する15歳以上20歳未満の男女で、あとは体重制限(年齢によって46~49キロ)をクリアできれば応募できる。
そのため200人近い応募者が殺到し、1次・2次試験を経て10~15人に絞り込まれるという狭き門になっています。2次試験では保護者の面接も義務付けられている」
競馬学校は全寮制で、外出もほとんど認められていない。カリキュラムは一般教養(読み書き、茶道、美術など)、専門教科(関係法規、馬の知識、スポーツ栄養管理学)、実技(基本馬術、障害馬術、走路訓練、厩舎作業)、特別活動(社会見学)に分かれており、競馬学校やトレーニングセンター(美浦・栗東)での講義や実践が3年間続く。
「競馬の技術面はもちろん、法令や規則、コンプライアンスの遵守を徹底的にたたき込まれ、規則が守れなければ退学となる。また、卒業時の上限体重が49キロと指定されており、体重管理ができなければ退学となる」(前出・競馬担当記者)