同窓会も「無理して顔を出す必要はない」との指摘も(イメージ)
人生の終盤戦を豊かに生きるために節目となる「古稀」=70歳。本格的な高齢者への仲間入りをするこの年齢を機に、これまでの生活に見切りをつけ「やめる」ことが、最後まで満足して生き尽くすために重要なカギを握る。70代以降は人間関係の見直しが欠かせない。シニア生活文化研究所代表理事の小谷みどり氏が言う。
「この年代になると元の職場の同僚とは自然と疎遠になっていきます。何年も会っていない人との交流はやめていい。既に疎遠な人との年賀状やお中元、お歳暮などのやり取りは相手の負担にもなるのでやめてよいタイミングです。同窓会にも気分が乗らなければ出席しないほうが賢明です。同級生は昔を知っているだけに久しぶりに会うと見栄やプライドの張り合いになりやすいからです」
70歳をすぎると親友の訃報に直面することもある。
「親友との濃い人間関係に頼っていると、その人が亡くなった時に孤独になってしまう。それよりも近所に頼れる人を数人見つけておくほうが夫婦のどちらかが先立ってもいざという時に助かる。一旦昔の関係から離れて近所で一緒に山を登る知り合いやたまには飲みに行ける人など、趣味で緩くつながった知り合いを何人か見つける方向にシフトしましょう」(小谷氏)
それには肩書きを捨てることだ。いつまでも「名刺」を持っている人は嫌われやすいという。
「一生懸命働いてきた男性ほど過去の肩書きにとらわれ、名刺を持ち歩きたがります。引退後新たに人との関係を築くうえで、どこそこの部長をやっていたといった肩書きは不要です。何者でもない自分になって、地域のシニア対象の交流サロンやサークル、ボランティア活動に足を運んでみると、新たな知り合いを見つけやすいはずです」(同前)
同時に家族との関係も見直す時期だ。妻への依存はやめたい。
「妻に依存しすぎる人は、いざ先立たれた時に何もできなくなるケースが多い。夫婦で一緒にいる時間を考え直してもいい。私の知人で自宅の近くに安い部屋を借り、日中は妻と別居して自分の時間を作っている男性もいます。自分の身の回りのことを多少は自分でできるようにしておくことも大切です」(同前)
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※週刊ポスト2025年11月28日・12月5日号
