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中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

「かつては散々愚痴を言ってきたけど…」定年後の再雇用で働く人たちが口にする“延長された会社員生活”への本音 給料は減っても会社への感謝の思いは深まるばかり

再雇用された人たちの会社に対する思いとは(イメージ)

再雇用された人たちの会社に対する思いとは(イメージ)

 いまや年金だけでは老後生活は心もとない。多くの会社員が60歳で定年を迎えた後も働き続ける選択をするわけで、再雇用制度を利用する人は多い。これによって、希望者は60歳から65歳までの5年間、正社員とは別の雇用形態で働くことができる、というのが一般的だ。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏は、再雇用された人の話を聞いて「会社に感謝するようになった人が多いように感じる」という。いったいどういうことか。再雇用者たちの“延長された会社員生活”への思いを、中川氏がレポートする。

 * * *
 気づけば私も52歳になったわけで、少し上の社会人の先輩が60歳を超えて再雇用される様を見るようになりました。その人達の50代の頃も知っているのですが、再雇用を経ると、会社と仕事に感謝するようになると感じられます。

 新聞社に勤務する61歳男性・Aさんは、役員にはならなかったものの、管理職を経て再雇用され、いまも後輩たちからは慕われています。

「ありがたく再雇用をしていただけました。1年ごとの契約ですが、最終年の65歳まで、契約をしていきたいと思っています。もちろん会社がそうしてくれれば、というのが前提ですが」

 Aさんは現在、記者業務も継続しており、頻繁に紙面で署名記事を目にします。給料は下がったものの、やはり5年間働く期間が伸びるのは重要なこと。給料がもらえるだけでなく、記者という職業柄、その5年間で様々な人と会うことができるでしょうし、そこで65歳以降の人生で何か一緒にできる仲間が見つかる可能性も高まるわけです。Aさんは地元の名士との交流も深く、恐らく65歳以降もなんらかの仕事を得て、一生お金には苦労しない人生を送れることでしょう。

 また、大手メーカーの子会社勤務の62歳女性・Bさんも再雇用契約を結び、自らを「口うるさいお局ですよ」と自嘲しながらも、充実した会社員人生を送っています。給料は現役時代最後の時の65%減になりましたが、それまでの給料がそれなりに高かったため、不満はないと言います。

 最近65歳になって、大手出版社の再雇用を終えた男性・Cさんは、この5年間は、遊軍的な編集者として、様々な取材をして、記事を雑誌やウェブに載せていました。その間に別の出版社から著書も出すなど、自由な働き方が認められていました。今は会社から離れたものの、まもなく古巣から著書を上梓する予定だといいます。

 ここで紹介した3人は、いずれも古巣との関係性が良好で、充実した再雇用生活を送っていました。

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