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FiscoNews

【注目トピックス 日本株】大東建託:賃貸住宅を起点にストック収益と開発事業を両輪で拡大、配当利回り4.5%超え

*10:10JST 大東建託:賃貸住宅を起点にストック収益と開発事業を両輪で拡大、配当利回り4.5%超え
大東建託<1878>は、賃貸住宅の建設を起点として、入居者斡旋、賃貸管理、不動産開発までを一貫して手掛ける総合不動産グループである。主力事業は建設事業、不動産賃貸事業、不動産開発事業の3領域で構成され、特に賃貸住宅分野においては国内最大級の管理戸数を有し、業界内でも高い存在感を示している。土地オーナーに対して賃貸住宅の企画・設計・施工を行い、完成後はグループ会社が管理・運営および入居者募集を担うことで、建設単発に終わらない継続的な収益モデルを構築している。また、紹介営業でなく、潜在顧客に対して個別訪問し顧客を掘り起こしている点、修繕負担を含んだプランによりディスカウントできる点、建築後も一貫しビルディングメンテナンスする点等が同社を他社と差別化する。不動産賃貸事業では、一括借上方式を中心とした賃貸経営受託システムを採用し、家賃収入をベースとする安定的なストック収益を長期にわたり積み上げている。管理戸数の拡大に伴い、収益の安定性が高まる構造となっており、景気変動の影響を相対的に受けにくい。近年は、不動産開発事業として収益不動産や物流施設の開発・販売にも注力しており、従来の土地活用型ビジネスに加えて、都市部や新用途への対応力を高めている。受注関連では、今期上期においてリピート契約率73.8%。

同社の強みは、第一に建設から入居者斡旋、建物管理までをグループ内で完結させる垂直統合型の事業モデルにある。建築後も自社で管理・運営を行うため、入居率や家賃水準、エリア別需給動向といった市場データを継続的に把握でき、商品企画や家賃設定に反映できる点が競争優位性となっている。この一貫体制は、建設後の管理を外部に委託するモデルと比較して、長期的な顧客接点を維持できる点でも優位である。第二に、賃貸管理戸数の規模を背景とした高いオペレーション効率である。修繕や設備更新、入居者対応を含めた包括的な賃貸経営サービスを提供し、規模効果によるコスト低減を実現している。オーナーにとっては収支の安定性が高まり、同社にとっては管理収益の積み上げにつながる好循環が形成されている。第三に、不動産開発事業の成長力である。50年かけて築いたコア事業の資本を不動産開発事業に投資することで、価値創出力を高め、収益機会と事業機会の拡大を図っていく。

2026年3月期第2四半期の連結業績は、売上高959,553百万円(前年同期比5.8%増)、営業利益69,393百万円(同2.4%減)で着地した。売上面では、不動産賃貸事業において、「賃貸経営受託システム」による一括借上物件の増加や高水準の入居率を背景に、一括借上物件の増加や、不動産開発事業での販売棟数増加が寄与し、増収を確保した。一方、営業利益は建設事業において資材価格や労務費の上昇が影響し、利益面では一時的な下押し要因となった。通期では売上高1,970,000百万円(前期比6.9%増)、営業利益125,000百万円(同5.2%増)を見込んでいる。

中期経営計画(2024-2026年度)では、「人的資本経営の推進」「強固なコア事業の確立」「注力分野への対応」を基本方針として掲げている。賃貸住宅を中心としたコア事業では、管理戸数の拡大とサービス品質の向上を通じて、収益性の改善を図る方針である。あわせて、不動産開発事業や新たな生活支援サービスへの取り組みを進めることで、収益源の多様化を目指している。2026年度には売上高2兆円、営業利益1,400億円を目標としており、ストック型収益の着実な積み上げと開発事業の成長が両輪となる見通しである。そのほか、海外事業への着手は、北米での買取リノベ再販事業から開始するようで、中期計画では100億円を目指している。同社は、日本人の人口が減っていく中で、外国人を受け入れながら日本経済を回すフェーズに入ると考えており、海外からの賃貸需要は増えていく一方、海外での不動産開発においては成長が期待でき、コア事業で生み出した資金を用いることにより安定成長を目標としている。

同社は配当性向50%を基本方針として掲げ、安定的な株主還元を志向している。業績に応じた配当を継続的に実施しており、長期保有を志向する投資家にとって安心感のある還元方針といえる。加えて、自己株式取得についても機動的に実施する方針を示しており、成長投資と株主還元のバランスを重視する姿勢がうかがえる。

総じて、大東建託は賃貸住宅を起点としたストック型ビジネスを基盤に、不動産開発事業の拡大による成長余地を併せ持つ企業である。足元では建設コスト上昇の影響を受けているものの、賃貸管理事業の安定性と開発事業の成長性が中長期的な業績を支える構造となっている。安定収益と成長投資を両立する事業モデルの進化により、配当利回り4.5%超えとインカムゲインを享受しながら、今後の業績推移や中期経営計画の達成状況に引き続き注目していきたい。

<NH>

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