自民党の公約であった「食料品消費税0%」の早期実施に意欲(高市早苗・首相。時事通信フォト)
「2年限定で食料品の消費税をゼロにする」──これは自民党が掲げてきた公約だ。総選挙で自民党が大勝したことで、高市早苗・首相は公約の早期実施に向けて意欲を示している。では、食料品の消費税が0%になることで、私たちの生活はどう変わるのか。その経済効果や財源問題について、イトモス研究所・小椋健一氏が解説する。
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あらためて、財布の底にあるレシートを、一枚取り出してみてほしい。生活の糧となる品々の名前が並ぶ最下部に、「消費税」という項目がある。私たちは長い間、パンを一つ買うためにも、8~10%の国へ税金を支払うのが当たり前だと思い込まされてきた。だが、常識が覆る日が近づいている。
高市早苗・首相を擁する自民党が、先日の総選挙で歴史的な圧勝を収めた。国民は現状維持ではなく、抜本的な「改革」を選んだのだ。自民党が公約に掲げてきた「食料品消費税0%」について、高市首相は「国民会議で議論し検討を加速する」と表明、「できたら(2026)年度内を目指していきたい」と語るなど、早期実施に向けて意欲を示している。
これは単なる「値引き」ではない。国家と私たちの財布の関係を根本から変える、静かで巨大な革命の始まりだ。世界を見渡せば、日本の食料品税率がいかに異常かがわかる。美食の国フランスやイタリアでは、食料品税率は4~5%程度。英国、カナダ、豪州、韓国に至ってはゼロ、もしくは非課税だ。生きるための「食」に重税を課す国は、先進国では少数派なのである。
これまで日本では、税収減を恐れる自民党と財務省の抵抗により、決断は先送りされてきた。だが、本当に恐れるべきは税収の減少ではなく、国民が自由にお金を使えなくなる「不自由」だ。
経済効果の面からも、減税の優位性は明らかだ。内閣府のモデルによれば、消費税減税は、現金を配るよりも高い効果が見込める。年5兆円の予算があるとして、給付金として配っても、多くの人は将来への不安から貯金してしまう。
しかし、消費税減税は違う。買い物のたびに「安くなった」と実感できる。安心感が財布の紐を緩め、消費を拡大させ、企業の売上を伸ばす。
