運用資産5億円を築いた某哲也さんが株式投資を始めたきっかけとは(本人のXより)
いよいよ「日経平均株価6万円時代」が到来するのか――。衆院選での自民党圧勝を受けて、日経平均は史上最高値を更新しながらも乱高下を繰り返している。そんな相場をパチンコと麻雀で培った「確率と期待値」を武器に渡り歩いているのが、1000万円を元手に始めた株式投資で運用資産5億円を築いた専業投資家・某哲也さんだ。
はたしてどのような投資遍歴を歩んできたのか。某哲也さんが株式投資を始めたきっかけは、2011年3月11日の東日本大震災だった。当時を振り返る。
パチンコで貯めた1000万円で東電株を買う
「原発事故で超安定企業の東京電力の株価が10分の1に大暴落したニュースを聞き、それでも潰れることはないだろうと考え、すぐに証券口座を作ってパチンコで貯めた1000万円を元手に東京電力の株を買いました。28歳の時です。サラリーマン時代に本業よりも長い時間パチンコを打っていて、年間300万円くらい稼いでいたこともあり、期待値で考えて分が悪い勝負はしないのが私のスタイルです。
東京電力株は10分の1まで下がったけど、潰れることはないから、いずれは元の水準、つまりは10倍になるのでないか。そう考えると、最悪でも1000万円の損失しかなく、失ったとしてもまたパチンコで稼げばいいやと思える一方、10倍まで行かなくても2~3倍にはなる可能性があるだろうという上に行く確率と期待値があると判断したわけです」(以下、「」内コメントは某哲也さん)
某哲也さんは「このお金が10倍になれば1億円になって、会社を辞めることができる!」と期待を膨らませていたが、ビギナーズラックとはならなかった。
「いま考えれば、証券口座を開いたばかりで現物取引と信用取引の違いもよくわかっていなかったのによく飛び込めたと思います。結局、東京電力の株はデイトレーダーの遊び場のようになっていて簡単に乱高下する。これはとてもじゃないけど無理と思って手放し、ほとんどプラスマイナスゼロで終わりました」
パチンコと麻雀とバリュー投資の共通点
それからいったんは株と距離を置き、株式投資で成功している億り人たち、かぶ1000さん、みきまるさんらのブログを読み漁るなど投資の勉強を重ねた。そのなかで注目したのが「バリュー投資」だった。
「割安な株に投資するバリュー投資は、そもそも下がなく(下値が限定的で)株価は上に積み上がっていく。確率と期待値で考えると、これはいいと思ったんです。たとえば、100円を持って2人でじゃんけんして勝ったほうが200円を総取りできるのであれば、確率50%で元手が2倍になるわけだから、期待値はトントンになる。それが150円しかもらえないのであれば期待値が下がるので意味がない。私はパチンコなら勝てる見込みのある台でしか勝負しないし、麻雀でも分の悪い勝負はしません。それと同じで、勝てる確率があって期待値も高いのがバリュー投資と考えたわけです」
そして2012年秋に投資を再開すると、アベノミクス相場の波が訪れた。
「しばらくは株を持っているだけで上がっていく状況が続きました。資産はどんどん増えていったんですが、それでも2015年夏にはチャイナショックがあって資産が3分の1まで減るくらいむちゃくちゃ下がったし、保有株が暴落に見舞われたことは3~4回はあったと思います。でも、試行錯誤を繰り返して一通り経験したことで、高配当が見込めるバリュー株に中長期投資するという、いまの手法が固まっていったと思います」
収益バリュー投資は「自分の成果がすぐに現われる」
バリュー投資には、企業が持つ土地や建物といった資産から見て割安かどうかを判断する「資産バリュー」と、企業の収益から見て割安かどうかを判断する「収益バリュー」がある。簡単に言えば、資産バリューは「PBR(株価純資産倍率)」、収益バリューは「PER(株価収益率)」で判断することが多い。
「資産バリューというのは土地や建物のほか、実質的な資産があることを多くの投資家が気づかないうちに仕込んでおく手法ですが、私はそれが顕在化するまで耐えられないので、安い時に売ってしまうこともありました。一方、収益バリューは、たとえば業績予想を上方修正すれば株価がすぐ反応するようにわかりやすい。成果がすぐに現われる点が私に合っていました。
ただ、その収益バリューに行き着くまでには投資を本格的に始めて5~6年は必要でした。最初はアベノミクスの流れにうまく乗れただけだったし、相場の波にのまれたことも一度や二度じゃない。それでも試行錯誤を繰り返して、ようやく確信を持てるようになったのは、それこそ10年以上経った最近の話ですよ」
その結果、いまや資産5億円を築いている某哲也さん。現在は銘柄選びをどのように進めているのか。関連記事『《運用資産5億円の某哲也さんが厳選した最新の高期待値3銘柄》業界独走で伸びしろ大なのに割安な銘柄も! 増収増益増配でもPER10倍以下のメーカーは「むちゃくちゃおいしい株と言えそう」』では、いま注目する銘柄を厳選し、詳しく解説している。
【プロフィール】
某哲也(ぼう・てつや)/運用資産5億円の専業投資家。パチンコで貯めた1000万円を元手に2011年、東日本大震災で被災して大暴落した東京電力株を買ったのが投資を始めたきっかけ。2012年末に株式投資を本格的にスタート。長男の発達遅れを指摘され、投資をやりつつ専業主夫の道へ。その後は長女と2児の育児全般を担当し、株式投資でも試行錯誤の末、高配当収益バリュー株の分散型長期投資に行き着く。2026年2月、初の著書『学校では教えてくれない、人生の「期待値」の考え方 5歳から始める金融・投資の勉強法』(パンローリング)を出版。
Xアカウント:@19830128to
ブログ:「某哲也の高配当レバリュー投資日誌」
取材・文/入江一
