*11:31JST フォーバル Research Memo(1):2026年3月期第3四半期は可視化伴走支援好調で本業堅調
■要約
フォーバル<8275>は、中小企業の「ESG経営を可視化伴走型で支援する企業ドクター(次世代経営コンサルタント)集団」を基本戦略として事業を展開している。
1. 事業概要
同社の売上・利益は、主にフォーバルビジネスグループとフォーバルテレコムビジネスグループで構成されている。事業の柱であるフォーバルビジネスグループでは、中小・小規模企業向けに、IP統合システム、情報セキュリティ、Web構築などの情報通信コンサルティングのほか、総合コンサルティング、海外進出、人材・教育、環境、事業承継などの経営コンサルティング、OA・ネットワーク機器の販売、サービスの取り次ぎなどを手掛ける。
2. 業績動向
2026年3月期第3四半期の連結業績は、売上高51,555百万円(前年同期比0.8%減)、営業利益2,102百万円(同10.3%減)、経常利益2,320百万円(同6.3%減)となった。主力のフォーバルビジネスグループが売上高27,905百万円(同1.5%増)と堅調に推移し、可視化伴走型経営支援が「F-Japan戦略」のもと伸長した一方、グループ会社における新紙幣特需の反動減が影響した。利益面では、売上総利益が同4.5%増と改善したものの、事業拡大に伴う人員増強や情報処理費等の販管費増(同6.6%増)により、営業利益は減益となった。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は335百万円(同75.5%減)となったが、これは保有有価証券の評価損(794百万円)による一過性の要因であり、キャッシュアウトを伴わない会計上の処理となる。同社は第4四半期に利益が偏重する構造にあり、現時点ではおおむね想定範囲内の推移である。
2026年3月期の連結業績は、売上高76,000百万円(前期比4.6%増)、営業利益4,100百万円(同9.6%増)、経常利益4,200百万円(同5.6%増)と、各利益で過去最高を更新する見込み。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失の影響により1,400百万円(同35.4%減)を見込む。中小企業のDX投資やIT人材不足を背景に、地方での産官学金連携によるGDX支援は追い風となっており、生成AI教育や電力サービスなどの成長領域も順調である。前期特需の反動や太陽光パネルの供給問題といった減速要因も解消に向かっており、期末に向けたリカバリーがカギとなる。通期営業利益に対する第3四半期の進捗率は51%、過去には44%(2023年3月期)からの達成例もあり、計画達成は十分に可能な水準である。
3. 成長戦略・トピック
「F-Japan戦略」は、地方でのDX・GX人材育成と支援体制を確立し、地域内で需給が完結する“地産地消”を目指す戦略である。「産官学金」連携を軸としつつ、実効性の高い中小・小規模企業支援に向けて「産」の役割を重視する。現時点では拠点が40弱の都道府県まで拡大した。自社資源に加え、地場企業との提携を積極的に推進しており、直近ではNO MARK(株)(沖縄)、東成瀬テックソリューションズ(株)(秋田)、みらい(株)(中四国)との提携が成立。早期に47都道府県すべてで体制を構築し、全国的な支援網を完成させる方針だ。
4. 株主還元策
同社は、配当による利益還元を経営の重要課題と位置付ける。具体的な配当性向の公約はないが、中長期的な内部留保と安定配分のバランスを重視する方針である。安定成長を背景に増配を継続しており、過去10期の配当金は増配または据え置き、配当性向は30%以上で推移している。2026年3月期は一過性の特別損失計上により親会社株主に帰属する当期純利益が減速するものの、期初予想を据え置き、前期比1.00円増配の31.00円(配当性向57.8%)を見込む。また、株主優待制度として、毎年9月末時点の100株以上保有株主に対し、電子マネーギフトを贈呈しており、好評を得ている。
■Key Points
・可視化伴走型経営支援サービスを軸に、中小企業・自治体のGDX・ESGを支援するフォーバルビジネスグループが柱
・2026年3月期第3四半期は可視化伴走支援好調で本業堅調。親会社株主に帰属する四半期純利益は一過性損失で減速
・2026年3月期通期は売上高・営業利益・経常利益で過去最高を予想
・「F-Japan戦略」により“DX・GXの地産地消”体制の全国展開が進む
・2026年3月期は、配当金31.00円予想(期初から変更なし)
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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