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月またぎの入院では高額療養費制度使えぬケースに注意

「入院するタイミング」でこれだけ違う

 医療費のなかでも一回の出費が大きいのが「入院」だ。特に「手術」が絡むと高額の費用が必要になる。

 そんな時に頼りになるのが「高額療養費制度」だ。これは1か月の医療費が、年齢や所得に応じた自己負担限度額を超えた場合、超過分が払い戻される制度だ(70歳以上は今年8月から自己負担上限額が引き上げられる。70歳未満は据え置き)。

 患者にとって心強い制度だが、注意したいのは、医療費が「ひと月単位」で計算されることだ。

「ひと月の医療費とは月初から月末にかかる費用のこと。たとえば自己負担限度額約8万円のAさんが4週間入院し、15万円の治療費がかかったケースでは、入退院が同じ月なら高額療養費制度を利用すれば約7万円が支給されます。

 ところが、入院の日程が月末から翌月にかかるなどして、それぞれの月の治療費が7万5000円となった場合、ひと月の限度額を超えないため、高額療養費制度を利用できません。入退院が同じ月に収まっていたら約8万円で済んだのに、月をまたいだため15万円かかってしまうことになります」(ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏)

 だが、入院日程を自分で決めることは難しい。

「脳卒中や心筋梗塞、交通事故で意識不明になるなど緊急性を要する場合は当然、医師に日程を決められてしまう。しかし糖尿病などの慢性疾患の治療で入院する場合は、医師に相談して入院日程を自分で提案することができます」(医療ジャーナリストの油井香代子氏)

※週刊ポスト2018年4月20日号

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