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アルコール依存から脱却した30代男性が語る「たった1人の闘いの日々」

アルコール依存からいかに脱出するか(イメージ)

 たとえ自覚していても、なかなか一人では抜け出せないのが「アルコール依存症」。周囲の協力があってはじめてそこから抜け出すことができたという人がいる反面、誰にも言えずに一人で苦しみ続けている人も少なくないだろう。そうした中で、たった一人でアルコール依存症から抜け出すことができた人もいる。都内在住の30代男性・Aさんもそのひとりだ。Aさんにその体験談を聞いた。

 Aさんの飲酒量が増えたのは、仕事が忙しくなった20代後半あたりからだった。日に日に増していったという。

「私はフリーランスで仕事をしているのですが、当時、仕事が忙しくなってくるとともに、プレッシャーや不安に押しつぶされそうになっていました。ストレスを発散できるほどの趣味もなかったので、手頃な飲酒に走りました。朝にハイボールを飲んで気合いを入れ、ランチにはビールとハイボールをそれぞれ1杯、夜に仕事をしながらウイスキーロックをグラス2杯とストロングゼロのロング缶を2本……なんて日もありました。常に酔っているのが普通でした」(Aさん、以下「」内同)

 厚生労働省によれば、節度ある適度な飲酒は、1日平均の純アルコール量にして約20g。これはアルコール度数5%のビール500mlに相当するので、Aさんの飲酒量がいかに度を越していたがわかる。当然、体に異変も起こってくる。

 いつも寝起きは悪く吐き気があり最悪の気分、髪の毛も異常に抜けた。しかも、酒を飲んでも飲まなくても手の震えが起きていたという。そんな矢先、トップアイドルによる飲酒騒動が大きく報じられた。それを目にしたことから、Aさんの酒を断つ「たった1人の闘い」が始まった。

「アルコール依存症疑惑という報道でハッとしました。私も大学時代からほぼ毎日お酒を飲んでいましたが、飲まないとイライラすることが多かったんです。この状態は異常であると気付かせてくれました。明日は我が身だなと痛感しました。

 ただ、『アルコールの量を減らせばいい』と言うのは簡単ですが、それができないんです。ゼロか大量の2択しかありませんでした。断酒した当時、2時間おきくらいに酒が飲みたい衝動が起きて、1日酒を断つだけでも奇跡でした。飲みたくなったらノンアル飲料と炭酸水で置き換えていたのでいたのですが、コンビニだと酒が目について買ってしまうんです。だから、ドリンク類はネット通販で購入していました」

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