マネーポストWEB「マネーポスト」公式サイト

「マネーポスト」2016年春号 注目記事

毎月分配ファンド 下落で利回り上昇も元本マイナス懸念

2016年4月12日 7:00

日本株が大幅に下落した2016年1月、投資信託市場にはあ6000億円もの資金流入があった。投資信託の投資信託の「積み立て投資」が、NISA(少額投資非課税制度)口座経由も含め、増えているという。だが、注意すべき状況も出てきている。楽天証券経済研究所ファンドアナリストの篠田尚子氏が解説する。

楽天証券経済研究所・ファンドアナリストの篠田尚子氏

楽天証券経済研究所・ファンドアナリストの篠田尚子氏

* * *
最近の投資信託を取り巻く環境を見渡すと、足元では心配な状況も生じている。世界的な株安、ブラジル・レアルを筆頭とした高金利通貨安などの影響で、毎月分配型ファンドの価格下落が厳しさを増している。分配金の引き下げやファンドの解約が出る一方で、基準価額が値下がりしたものを買う、株式投資でいう「ナンピン買い」がみられるのだ。

基準価額が下落した結果、配当金を基準価額で割った、見かけ上の利回りがアップしているためだが、当然、配当金自体が増えているわけではない。あくまで、基準価額の下落によって利回りが上昇しているにすぎない。今後、配当金の引き下げが行なわれれば利回りはダウンするし、基準価額がさらに下落すれば、投資元本がマイナスとなる。

また、ナンピン買いの中には、基準価額の値上がり期待も少なくない。下げがきつかったため、たしかに値ごろ感は出ている。しかし、その期待が実現するのは難しいと言わざるを得ない。

分配金の高い毎月分配型ファンドには、高金利通貨を組み込んだものが多く、そのうちの多くが「カバードコール戦略」という、通貨の先物を売買するオプション取引を利用している。カバードコール戦略を使うと、プレミアムという収益が得られるためだ。高分配ファンドは、投資対象である株式や債券、リート(不動産投資信託)などの収益に、このプレミアムを上乗せすることで高い分配金を維持している。

その反面、カバードコール戦略は、仮に基準価額が上昇する局面を迎えても、大きな値上がりがしにくい仕組みになっている。高い分配金を出しているファンドほど、基準価額の回復には時間がかかる。

もし、ブラジル・レアルの反発を期待して投資をするのであれば、ブラジルの株式やレアル建ての債券を投資対象とする、シンプルな仕組みのファンドを選ぶべき。その方が、反発局面でリターンが得やすい。毎月分配型ファンドの深追いは、リターンは望みにくく、リスクが高いのである。

※マネーポスト2016年春号

  • 円高? 円安? 先行き不透明な今の円相場で短期的に利益を狙う方法
  • 顧客満足度3年連続1位!餃子が大量にもらえるFX会社?
  • 2017年春号(3月1日発売号)

    大特集は〈平成ラストバブルの号砲〉。戸松信博氏、藤井英敏氏らがこれから大化け期待の個別株をランキング形式で紹介。西堀敬氏によるIPO投資の最新攻略ガイドの他、橘玲氏、森永卓郎氏らによる連載も充実。定価620円。お早めにお求めください。

    当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。

    水上紀行ニュースフラッシュ

    2017年春号(3月1日発売号)

    大特集は〈平成ラストバブルの号砲〉。戸松信博氏、藤井英敏氏らがこれから大化け期待の個別株をランキング形式で紹介。西堀敬氏によるIPO投資の最新攻略ガイドの他、橘玲氏、森永卓郎氏らによる連載も充実。定価620円。お早めにお求めください。

    当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。

    小学館雑誌定期購読小学館のプライバシーステートメント問い合わせ広告掲載について

    © Shogakukan Inc. 2017 . All rights reserved. No reproduction or republication without written permission. 掲載の記事・写真・イラスト等のすべてのコンテンツの無断複写・転載を禁じます。