投資

【ドル円週間見通し】米追加利上げ観測後退でドル買い抑制も

米追加利上げ観測は一段と後退、その影響は?

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が3月11日~3月15日のドル・円相場の見通しを解説する。

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 今週のドル・円は上げ渋りか。欧州中央銀行(ECB)や英中央銀行のハト派姿勢で欧州通貨が買いづらいなか、ドル選好地合いとなりそうだが、米経済指標が低調だった場合、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測はさらに後退し、リスク選好的なドル買いは抑制されるとみられる。

 経済開発協力機構(OECD)による世界経済見通しの下方修正で、特にユーロ圏の下振れに懸念を示した。ECBは7日の理事会で、今年後半を目標としてきた利上げ時期を来年以降に延期する方針を示すなど、従来よりもハト派姿勢を強めている。

 また、OECDは英国の経済に関しても成長の鈍化を予想。英中央銀行当局者からは、欧州連合(EU)からの英国の離脱(ブレグジット)が実現するまでは現行の金融政策を維持するべきとの意見が目立つ。このため、ユーロやポンドは買いづらく、ドルに資金が流入しやすい地合いとなりそうだ。加えて、これまで金融正常化を進めてきたカナダ中央銀行の政策金利見通しが不透明となったほか、豪準備銀行も景気の腰折れ懸念から利下げへの思惑が広がっていることも、ドル買いを支援しよう。

 しかし、足元の米経済指標は製造業を中心に低調な内容が示されており、米金融当局者からは目先の引き締めに否定的な見解が聞かれる。目先も消費者物価指数などインフレが鈍化すれば、利上げ期待のドル買いは大きく後退する見通し。

 一方、貿易・通商分野における米中協議で合意への期待は継続するものの、交渉は長期化が見込まれリスク選好的な円売りは縮小しつつある。米貿易収支はここ10年間では最大規模の赤字幅となっており、トランプ政権は貿易赤字削減に向け今後の貿易黒字国に攻勢をかけるとの見方もある。特に、今後の交渉相手となる日本に対して、為替条項などで円安政策を封じるとの思惑が円買いを支援しそうだ。

【米・2月消費者物価指数(CPI)】(12日発表予定)
 12日発表予定の2月消費者物価指数(CPI)は前年比+1.6%、コア指数は同+2.2%と予想されている。コア指数の上昇率が市場予想を下回り、追加利上げ観測が一段と後退すればドル売りを誘発しよう。

【米・3月NY連銀製造業景気指数】(15日発表予定)
 15日発表予定の米3月NY連銀製造業景気指数は10.00と、前月の8.80から改善が見込まれている。市場予想と一致した場合、3月ISM製造業景況指数は多少改善するとの思惑が広がり、リスク回避的なドル売りは抑制される可能性がある。

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