投資

バイナリー新規制 海外流出もあり投資家保護にならぬ可能性

個人投資家の間で「バイナリーオプション」の人気が高まっている。バイナリーオプションとは、「特定の日時までに、上がるか下がるかを予想する」というシンプルな取引だ。しかも、5分後や10分後のような極めて短期の売買が可能な業者が多い。このシンプルさと短時間で結果が出ることの面白さ、さらに少額で始めることができるとあって、FX(外国為替証拠金取引)を凌ぐほどの勢いを見せている。

12月からは取引開始から判定時刻まで2時間以上になり、1営業日にエントリーできるのは最大で12回。また、これまでは「上がるか、下がるか」の二者択一だったものは、購入受付時のレートを基準に6つの目標レートが設定され、「判定時刻のレートがそれよりも上か下か」を予想する形式に変わった。このルール下でいかにトレードするべきなのか、これまで2000万円以上の利益を得ているトレーダー、Flasher氏に聞いた。

* * *
私は10分で結果がわかるGMOクリック証券の「外為オプション」をメインに、それよりも短い5分や比較的長い1時間で取引をする場合には、FXトレード・フィナンシャル、海外業者のオプテックなどを使い分けています。

5分や10分などの短い時間ではどうしても運に左右されがちですが、しっかりチャートを見て判断するときは1時間など長時間のほうが向いていると思いますね。

短時間でも長時間でも、私の基本的な戦略は逆バリです。ボリンジャーバンドとMACDを参考にしながら、売られすぎからの一次的な反発や、買われすぎからの一時的な下落を狙っています。ただし、売られすぎでも勢いがあるともっと下がってしまうので、テクニカル指標だけでなく、相場の流れを見ることも大切です。

GMOクリック証券では1日100回くらいエントリーしていましたが、これはちょっと多すぎで、エントリーしすぎると勝てないですね(笑)。たぶん、メンタルの問題が大きく、アツくなってしまっているんでしょうね。バイナリーオプションが新ルールになろうと、メンタルの重要性は変わらないので、冷静にタイミングを見極めることは大事だと思います。

相場が変わっても、絶対に変わっていけないのが“マイルール”。私のマイルールは2つあって、一つは「同時に複数は買わない」こと。強い流れができているときには連続して負けてしまうからです。また、「利益の上限、損失の下限になったら、その日はもうやらない」というのも決めています。目安としては1日の利益30万円、損失10万~15万円です。

勝つことよりも「負けないこと」を心掛けていますね。今後は1日にエントリーできる回数は最大12回となり、負けを取り戻そうと何度もエントリーすることができなくなってしまうので、負けないことがますます重要になります。そもそも、「負けを取り返そう」なんて考えているときは、概してさらに負けが込んで傷口を広げてしまうものですからね。

「投資家保護のため」とうたった新規制ですが、海外業者は規制の対象外ですから、これまでどおり短時間のバイナリーオプションをやりたい投資家は、海外業者に流出していってしまう可能性があります。結果的に投資家保護にはあまりならないだろうと思っています。

海外業者は税金の面のデメリットもあるし、金融庁の管轄下にないので資金管理の不安もあります。また、入金がクレジットカードでできてしまうので、アツくなると火傷してしまう恐れもあり、海外業者はあまりオススメできないですね。

これからは最大で1日12回しかエントリーできないわけですから、負けたぶんを取り返すのが大変になります。相場が変わってもマイルールを変えることなく、勝てるタイミングを狙い撃ちしていく戦略が有効だと思います。

【プロフィール】30代、都内在住。2010年に元手50万円ほどでスタート。GMOクリック証券の外為オプションを中心にいくつかの業者を活用。波はありながらも、これまで2200万円以上の利益を得ている。ブログは「クリック証券 外為オプション攻略ブログ」(http://f-f-studio.com/boFX/)

※マネーポスト2014年新春号

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。