「Sell in May」とはアノマリーの一種ですが、このところ4月末からのGWを境に流れが変わり5月から下落することが多いことから、5月に「売ろう」という言葉として生まれたものです。
そのGWは今年、過去に例のない10連休。連休前のマーケットの動きに注目が集まったのですが、好調のアメリカ市場に引っ張られる形で堅調に推移しました。
ただし、為替市場は上昇基調の株式市場とは違い、レンジ相場の中、ややその下限で推移する展開となっていました。そこへ10連休最後に、トランプ大統領が対中国関税引き上げを表明。マーケットは大きく反応しました。
今週は、落ち着きを取り戻すのか、それとも「Sell in May」となるのかの見極めを求められることになるでしょう。
ドル/円 5月6日の週のポイント
それでは、ドル/円の動きをペンタゴンチャートで分析してみましょう。ドル/円は下値支持線と期待されたABラインを割り込むと、値動き自体は同事線に似た小さなローソク足を示現しつつ小幅ながら値を下げてきました。ただ、先週末には比較的実体部分の大きな陰線が出現し中心点C点の水準に到達しました。
ドル/円 メインシナリオ
ペンタゴンチャートによる分析から、今週のドル/円の動きを次のように予想します。
【現在の相場状況】
上昇トレンドの下落局面
【今週のメインシナリオ】
上値の重たい展開が続いています。下値支持線ABラインを割り込んだ後は値を下げ、中心点C点水準を下回ってきたからです。この場合、A点水準が下値の第1メドと考えられます。
豪ドル/円 5月6日の週のポイント
今回は豪ドル/円もペンタゴンチャートで分析します。豪ドル/円は、ペンタゴンのど真ん中の時間帯にあたるA点を通過した後も上昇することなく、やや値を下げてきています。ただし、先週末には下値支持線BDラインに到達して取引を終えました。
豪ドル/円 メインシナリオ
ペンタゴンチャートによる分析から、今週の豪ドル/円の動きを次のように予想します。
【現在の相場状況】
下落トレンドの下落局面
【今週のメインシナリオ】
下げ止まりから落ち着いた動きになるのであれば、下値支持線BDラインを割り込むことなく推移していくことが求められます。
【PROFILE】川口一晃(かわぐち・かずあき):銀行系投資顧問会社(現・三菱UFJ国際投信)および三洋投信で11年間ファンドマネージャーを務めた後、ブルームバーグL.Pに移り投信の評価システムを開発、ブルームバーグL.Pを投信の評価機関にする。その後外資系証券会社等を経て2004年10月に独立、オフィスKAZ代表取締役に就任。ペンタゴンチャートのパイオニアとして知られる。『ペンタゴンチャート入門―神秘の株価予測法』(東洋経済新報社)、『FXチャート分析 マスターブック FX ペンタゴンチャート最強の黄金分割』(実業之日本社)他著書多数。ペンタゴンチャートを用いて通貨の値動きを予測するメルマガ「川口一晃のFXペンタゴンチャート超戦略」好評配信中。