*10:31JST 日本和装 Research Memo(1):主力事業は和装品の販売仲介。独自の販売方式で市場拡大を目指す
■要約
日本和装ホールディングス<2499>は、和装品(主に女性用きもの)販売における国内大手の販売仲介会社である。独自の無料着付け教室や販売会、各種イベントなどを開催することで、着実な成長を遂げてきた。人口減による市場全体の縮小などもあり2023年12月期までの数年間は減収減益が続いたが、2024年12月期は「お試し3回無料着付け体験コース」の効果等により増収増益を達成した。
1. 2024年12月期の業績概要
2024年12月期は、売上高が4,704百万円(前期比4.5%増)、営業利益が480百万円(同22.0%増)、経常利益が432百万円(同22.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が296百万円(同71.6%増)となった。前期に特別損失(創業者功労金50百万円)を計上したことから親会社株主に帰属する当期純利益の増益幅が大きくなった。新たなイベントの企画や「お試し3回無料着付け体験コース」の効果などにより増収となり、販管費の増加が小幅に留まったことから営業増益を達成した。
2. 2025年12月期の業績見通し
同社は、業績予想については不確定要素が多々あることからレンジで公表しており、2025年12月期については、売上高4,715〜4,815百万円(前期比0.2〜2.3%増)、営業利益490〜541百万円(同2.0〜12.6%増)、経常利益440〜487百万円(同1.8〜12.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益300〜333百万円(同1.2〜12.3%増)を見込んでいる。前期に引き続き「無料着付け教室」や各種イベント、モデルの冨永愛を起用したCMを継続することなどから増収を予想している。同社のビジネスモデルは、売上高が上がるとともに利益も増加することから、この売上高と各利益の予想値を達成することは十分可能であると弊社では見ている。
3. 中長期の成長戦略:新市場の創出により市場全体及び業績の拡大を図る
同社では中期経営計画や定量的な数値目標は発表していない。しかし、業績拡大に加えて「新市場の創出=和装品(きもの)市場の拡大」を目的として、付加価値の高いイベント・ツアーの企画に加えて独自のプライベートブランド「SOUCOLE(ソウコレ)」の展開、ECサイト「KAERUWA(カエルワ)」の拡充、CSR活動として中高生に向けた「浴衣の着付け」出前授業の提供などを行っている。これらの活動により、業績を伸ばすとともに、将来の着物市場全体の拡大を目指しており、今後の動向が注目される。
■Key Points
・和装品(主に女性用きもの)の販売仲介会社。独自の販売方式で高シェアを維持
・2025年12月期の増収増益予想は十分達成可能
・中長期では、独自のプライベートブランドの展開やEC事業の拡充等で新市場の創出を図る
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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