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FiscoNews

【注目トピックス 日本株】1stコーポ Research Memo(9):株主還元拡充、資本政策実施等により時価総額拡大と流通株式比率上昇を図る

*11:09JST 1stコーポ Research Memo(9):株主還元拡充、資本政策実施等により時価総額拡大と流通株式比率上昇を図る
■プライム市場への再上場に向けて

ファーストコーポレーション<1430>は東証の市場区分見直しに伴い、プライム市場の上場維持基準適合に向けて各種施策に取り組んできた。しかし、2023年4月施行の東証の規則改正に伴い、スタンダード市場への上場の再選択の機会が得られたことから、あらためて今後の適合に向けた計画について検討した結果、2023年10月20日を移行日としたスタンダード市場への選択申請を決定した。その結果、スタンダード市場へ移行したが、将来的にプライム市場への上場を目指すため、今後も持続的な成長と中長期的な企業価値向上に資する取り組みに注力する。プライム市場への上場に向けては、足元の流通株式時価総額は上場維持基準100億円に達していない状況であり、引き続き株価と株式の流動性向上を意識した運営をしていく方針である。具体的には、新中期経営計画「Innovation2024」の達成、株主還元の拡充、コーポレート・ガバナンスの充実による時価総額の拡大、各種資本政策の実施による流通株式比率の上昇を図る。

(1) 中期経営計画の達成
時価総額の向上は、安定した業績によってこそ実現されるという考えの下、まずは「Innovation2024」を完遂する。具体的には既述のとおり、資本収益性の向上という基本方針の下、建設事業の強化、造注比率の向上、再開発事業の推進、研究開発・M&Aをはじめとする成長投資の推進などの各種施策に取り組む。これらの施策により、最終年度である2027年5月期の数値目標達成を目指す。

(2) 株主還元の拡充
経営成績及び今後の事業展開、健全な財務体質維持のために必要な内部留保の確保等を勘案しつつ、連結配当性向30%以上を下限とし、株主への利益還元を強化する。また、株主優待と機動的な自己株式の取得による株主還元も継続する。

(3) コーポレート・ガバナンスの充実
2021年6月に改訂された「コーポレートガバナンス・コード」のうち、プライム市場上場会社のみに適用または加重される補充原則を中心に引き続き対応を図る。具体的には補充原則1−2(4)「機関投資家向け議決権電子行使プラットフォームの導入」、3−1(2)「開示書類のうち必要とされる情報の英訳開示・提供」、3−1(3)「気候変動に係るTCFDと同等の質と量の開示」、4−10(1)「指名・報酬委員会構成の独立性に関する考え方・権限・役割等の開示」を対象としている。1−2(4)については2022年8月開催の第11回定時株主総会を通して既に導入済みである。3−1(2)については決算短信・招集通知・IRサイトの英訳が実施済みであるほか、2022年8月からは有価証券報告書の英訳開示を開始している。3−1(3)については2022年3月にサステナビリティ委員会の下部組織として立ち上げた気候変動対策部会を中心にCO2排出量削減目標を設定した。具体的には、IEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)による気候変動シナリオ(2℃未満シナリオ及び4℃シナリオ)を参照し、2050年までの長期的な同社への影響を考察したうえで、2030年度のCO2排出量削減目標を2021年度比で35%に設定した。4−10(1)については既に過半数を独立社外取締役としている。今後は、同委員会の独立性・権限・役割などに関して、開示すべき情報を検討する。

また、SDGsをはじめとした社会・環境問題に対して事業を通じて取り組み、持続可能な社会の実現に貢献していく姿勢も示している。例えば、環境については温室効果ガスの排出量削減目標を達成することで地球温暖化と気候変動問題の緩和に貢献することを目指す。その他、社会に関しては第三者機関による躯体検査の導入による施工品質の維持・向上などを通じて、安心・安全な住環境の提供に貢献するほか、ガバナンスにおいてはコンプライアンスとリスクマネジメントを強化する。

(4) 各種資本政策の実施
株式の流動性向上に向け、M&Aへの自己株式の活用を検討している。また、M&Aに支障をきたさない範囲で、機動的な自己株式取得も視野に入れている。

さらに、資本コストや株価を意識した経営姿勢を対外的に明確にしており、中期経営計画の着実な達成によって資本収益性と市場評価向上を目指している。

■株主還元策

連結配当性向30%以上を目標に安定配当の継続を目指す。プライム市場への再上場に向けて引き上げも選択肢

2025年5月期の1株当たり配当金は年間42.00円で、前期比11.00円の増配となった。2026年5月期は年間44.00円を予定しており、前期比で2.00円、中期経営計画の2026年5月期予想に対しても1.00円増配の見込みである。

なお、新中期経営計画「Innovation2024」の中で、2027年5月期の配当金は年間49.00円を目標値として掲げている。同社は、株主への利益還元を経営上の重要施策の1つと考え、現在及び将来の事業展開や設備投資及び内部留保金の確保等を総合的に勘案したうえで、連結配当性向30%以上を最低ラインとして安定した配当を継続することを目指している。加えて、プライム市場への再上場に向けて、内部留保の状況、中期経営計画進捗の度合い、収益性の状況を勘案したうえで、配当性向の引き上げも検討していく。このことから、将来的には配当性向の引き上げも期待できると弊社は考えている。

配当以外の株主還元策としては、2016年11月30日より株主優待制度を開始し、保有株式数と保有期間に応じてQUOカードを進呈している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)

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