*16:35JST GMO-GS Research Memo(6):2025年12月期見通し達成に向けて視界良好
■GMOグローバルサイン・ホールディングス<3788>の今後の見通し
1. 2025年12月期の業績見通し
2025年12月期の連結業績予想は、売上高20,397百万円(前期比6.4%増)、営業利益1,434百万円(同15.1%増)と増収増益を見込んでいる。セグメント別では、主力の電子認証・印鑑事業が13,142百万円(同8.4%増)と堅調に伸長し、売上構成比も64.4%と引き続き全体をけん引する見通しである。クラウドインフラ事業は6,906百万円(同4.1%増)と安定的な成長が続くほか、DX事業も1,054百万円(同11.6%増)と2ケタ成長を見込んでおり、新規分野としての拡大が期待される。
営業利益においても電子認証・印鑑事業が1,332百万円(同15.7%増)と大幅な増益を計画しており、収益面で全体の92.9%を占める見通しである。クラウドインフラ事業は164百万円(同6.4%増)と堅調な利益成長を確保し、DX事業は引き続き赤字ながら、損失幅を縮小する計画となっている。
これらの結果、全社ベースでは主力事業を軸とした安定成長に加え、新規領域であるDX事業の拡大も寄与し、着実な増収増益を実現する見込みである。
2. 中長期の成長戦略
同社は中期経営計画の数値目標を開示していないが、2022年12月期から2026年12月期までの5ヶ年を「長期的な企業価値向上のための土台構築期」と位置付け、中期経営方針として表明している。
この期間において、事業領域を「電子認証・印鑑事業」「クラウドインフラ事業」「DX事業」の3つに区分し、それぞれを「重点成長分野」「持続成長分野」「次期成長分野」と定義し、提供サービス及び体制基盤の強化を進めている。
重点成長分野である電子認証・印鑑事業では、圧倒的No.1のストック型サービス基盤を確立するとともに、グローバル拠点の継続的成長を実現するため、経営資源を集中的に投入し、成長循環の活性化を図る。
持続成長分野であるクラウドインフラ事業では、安定的な収益源としての役割を果たすべく、マネージドサービスによる売上拡大、既存顧客との関係深化による利益成長、さらには業務効率化を通じた収益体質の強化を推進し、着実な利益創出を実現する。
次期成長分野であるDX事業では、次世代の事業環境に対応するための技術研究・開発活動を推進し、未知の領域に向けた多様な取り組みを通じて、新規事業領域への展開を目指す。
さらに、持続的成長の源泉は人財であるとの認識に基づき、自律型人財が育つ風土の醸成を図る。具体的には、働き方改革の推進、システム刷新によるコミュニケーション強化、制度と環境の整備を進め、組織力の強化を実現する。また、長期的な企業価値向上には、環境・社会課題への対応が不可欠である。同社は、働く環境の強化、セキュリティリスク対応の徹底に加え、クラウドインフラやSSLをはじめとするセキュリティサービス、さらにはDX支援サービスを通じて、社会課題の解決に貢献する方針である。
長期的には、こうした取り組みにより2035年には売上高1,000億円を達成することを目指す。1,000億円のうち半分程度は現行ビジネスの延長によって積み上げ、残りは新規事業の立ち上げとM&Aにより埋める計画である。2040年には電子認証関連サービスにおいて世界一となることを目指している。認証局のみならず、GMOサインやeシールなどを含む電子認証を中心としたITセキュリティ企業として成長していく方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
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