*16:54JST リスク回避加速で一時51000円台へ急落【クロージング】
9日の日経平均は3営業日ぶりに大幅反落。2892.12円安の52728.72円(出来高概算36億8000万株)と終値ベースでは2月2日以来約1カ月ぶりに53000円台を割り込んで取引を終えた。下落幅は歴代3番目だった。日本時間のきょう早朝、米メディアが「米国はイラン高濃縮ウラン確保へ地上特殊作戦を検討」と報じたことなどから、中東紛争長期化懸念からNY原油先物相場が急騰し、原油の大半を輸入で賄う日本経済への悪影響が懸念され、幅広い銘柄に売りが先行して始まった。前週末の米国株の下落も嫌気され、東京市場はほぼ全面安商状となり、日経平均は前場終盤には51407.66円と1月9日以来約2カ月ぶりの安値水準まで下押した。ただ、その後は押し目を拾う動きも入ったほか、「G7が石油備蓄の共同放出を協議」との報道もあり、後場終盤には52935.31円まで値を戻した。
東証プライム市場の騰落銘柄数は、値下がり銘柄が1400を超え、全体の9割近くを占めた。セクター別では、33業種すべてが下落し、非鉄金属、ガラス土石、機械、電気機器の下落が目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、ローム<6963>、KDDI<9433>、セコム<9735>、ZOZO<3092>がしっかりだった半面、アドバンテス<6857>、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>が軟調で、この4銘柄だけで日経平均を約1500円超押し下げた。
前日の米国市場では、2月の雇用統計が弱い内容となったほか、「米オラクルがデータセンターの拡張計画を取りやめた」との報道も重しとなり、主要株価指数は下落。なかでもSOX指数が4%近く下落した。東京市場でも半導体・人工知能(AI)関連株など年初からの上昇ピッチが速かった銘柄中心に広範に売りが出た。また、時間外取引でもNY原油先物が一時1バレル=120ドルに迫る水準まで急騰したことも警戒材料となり、ほぼ全面安の展開となり、日経平均の下げ幅は一時4200円を超えた。
米国では雇用統計の悪化による景気減速懸念、イラン情勢の緊迫化を背景に原油先物相場が急騰しているため、先行き懸念は拭えていない。また、中東情勢も依然先行きが見通しづらい。イランでは、殺害されたハメネイ師の後継最高指導者にモジタバ師が選ばれたと伝わった。モジタバ師はハメネイ師の次男で、反米強硬派とされるだけに、紛争長期化への懸念は拭えない。投資家のマインドも足元の急落の影響で一旦冷えているとみられ、内需系の銘柄での物色を中心とした様子見ムードが目先は続きそうだ。
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