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【家計の金融資産は増大】日本の金利低下を招いた“金余り”現象 あり余ったお金が最終的に向かう先

 普通、国債の発行残高が大きくなりすぎると国債利回りが上昇し、高い金利を払わないと新たな資金調達ができなくなるはずですが、現実には日本の長期金利は極めて低い水準で推移しています。これには日銀の金融政策の影響ももちろん大きいのですが、お金の流れでいうと、超がつくほどの金余りのおかげで、巨額の資金が結果的に国債市場に流れ込み、国債が多額に発行されてもどんどん吸収されてしまうということが影響しています。

 このように、金余りによる低金利化は、その裏側では国による財政赤字の拡大と国債発行残高の増大をともなっており、それらは表裏一体の現象として理解すべきものといえます。

【プロフィール】
田渕直也(たぶち・なおや)/1985年一橋大学経済学部卒業後、日本長期信用銀行に入行。海外証券子会社であるLTCB International Ltdを経て、金融市場営業部および金融開発部次長。2000年にUFJパートナーズ投信(現・三菱UFJ国際投信)に移籍した後、不動産ファンド運用会社社長、生命保険会社執行役員を歴任。現在はミリタス・フィナンシャル・コンサルティング代表取締役。シグマインベストメントスクール学長。『ファイナンス理論全史』(ダイヤモンド社)など著書多数。

※田渕直也『教養としての「金利」』(日本実業出版社)より一部抜粋して再構成

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