コロナ禍で在宅勤務やリモート会議、週休3日制など、働き方が多様化し、空いた時間を使って副業を始める人も増えている。副業マッチングサービス最大手のランサーズによると、副業だけで1000万円近くを稼ぐ強者もいるという。その一方で、自分にはどんな副業が向いているのか、どのような副業を選ぶべきかといった基本的な質問も多く寄せられるという。同社取締役の曽根秀晶氏が解説する。
「基本的に本業と副業には“おいしい共生関係”が生まれやすい。本業での知識と経験を生かしながら、それをちょっとスライドさせて、副業でチャレンジしてみる。社内ではなかなか企画が通らなくても、副業でコンペに応募して自分の力を試したり、実際にやって経験を積んだりして、それが本業にも生きるという好循環が生まれやすいのです」(曽根氏)
まずは自分の本業の延長で、副業を選ぶことが成功への近道のようだ。また、将来のキャリア形成を考える上でも、現在、勤めている会社1社に任せるのではなく、複数の会社や人に依存しながらキャリアアップや仕事の幅を広げていくことが必要な時代になっているそうだ。
「キャリア形成を考える際、まずは現在の自分のスキルや能力を正当に評価することが重要です。しかし、多くの企業の評価はまだまだ日本的な“情実”にとらわれることが多く、正当な評価とは言いがたい面もある。副業という“社外の市場”に触れることで、自分の能力を確認し、アップデートしていこうと考える人が増えているようです」(曽根氏)
『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(165万部)など、多数のベストセラーを手掛けながら、最近はYouTuberとしての副業に力を入れ、最新刊『儲かる副業図鑑 在宅勤務のスキマに始める80のシゴト』が話題の公認会計士・税理士の山田真哉氏もこう言う。
「自分の本業や副業もそうですが、今はとにかく世の中の変化のスピードが速い。それに対応する上で、社内の仕事や人間関係だけでは“置いてけぼり”を食らいかねない。ネットの情報やSNS、本を読んだりして理解しようとしても、実際にやってみないとわからないことも多い。世の中の変化についていくためにも、ちょっと副業でやってみるのもいいと思います」(山田氏)