キャリア

コロナに夢を奪われた人たち 新卒採用ゼロ、スタート前に頓挫、事業凍結…

 Tさんは留学経験もあり、英語は堪能。国内の外国人向けゲストハウスで働いたこともあり、計画はぬかりないように思われた。

「私はスノーボードが大好きで、冬になるとしょっちゅうスキー場に出かけていましたが、近年スキー場は外国人だらけ。彼らと話をすると、日本人に英語を話せる人間が少ないのがお決まりの悩みでした。『それなら自分が』と思って物件を探してみると、スキー場の近くに手頃なペンションがあり、そろばんを弾くと、あっという間に元が取れそうで……」(Tさん)

 ここから先はご想像の通りだ。Tさんは契約を決め、せっせとリフォーム計画を練り、いよいよというところまで行ったが、そこにコロナ禍が襲った。

「都内や京都なら、コロナが収まればすぐに外国人は戻ってくるでしょうが、信州のスキー場に人が戻ってくるのはずっと先でしょう。そこまで待つ経済的余裕はありません」(Tさん)

 借金こそせずに済んだものの、これまで貯めたお金はほとんど使い果たしてしまったのだとか。「年齢や子供のことを考えると、もう1度、挑戦できるかどうか……」とため息をつく。

憧れの海外暮らしを実現できたかに見えたが…

 Aさん(30代/男性)は途中まで夢を叶えたが、中途半端な形で打ち切られた。

「私は高校1年生の時、初めての海外渡航でイギリスにホームステイして、イギリスを大好きになって、いつかイギリスに住むのが夢でした」(Aさん)

 結婚後はイギリスに旅行に行く機会さえ無かったAさん。数年前に離婚し、イギリスに一人旅に出かけたことで、一気にイギリス熱が再燃する。

「とりあえず英語の勉強を開始。年齢的にも最後のチャンスと思い、語学留学することにしました」(Aさん)

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