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「朝から根掘り葉掘り」シビアな税務調査の実態 “へそくり”もアウト、暦年贈与も注意が必要

相続税の税務調査で狙われやすい「人」&「財産」【1】

相続税の税務調査で狙われやすい「人」&「財産」【1】

「贈与分は相続に関係ないと思い込んでいる人が多いですが、相続には『3年以内の贈与加算』という制度があり、亡くなる3年前までの贈与は“直前の相続税逃れは無効”として相続税の対象になります。税理士なら知っているはずですが、相続人に確認していない場合が多いようです」(同前)

 さらに勘違いしやすいのが「へそくり」だ。

「税務調査で多額の現金が見つかり、それを専業主婦である妻が『へそくりです』と言ったらアウト。妻が生活費をやり繰りして貯めたお金でも、故人の財産に含めなければいけません。口座から頻繁に引き出していた記録などがあると、へそくりの存在が疑われることが多いようです」(岡野氏)

 丸裸にされるのは現預金だけではない。実家の相続にあたり土地の評価額が最大8割減となる「小規模宅地等の特例」を利用しようと住民票を慌てて実家に移すケースがあるが、「税務調査では相続人の生活拠点がどこか確かめられるうえ、水道光熱費のメーターまで調べられる。同居の実態がないことはすぐにバレます」(岡野氏)という。

 申告時点で漏れなく済ませるのが理想だが、予期せぬ調査の連絡が入ったらどう対応するべきか。

「相続税専門の税理士に改めて相談するのがいいでしょう。調査前に申告済み相続税の見直しや調査の事前準備、質疑応答のリハーサルなどをしてもらえます」(同前)

 こうした事態に陥らないように、適切な相続を進めなくてはならない。

※週刊ポスト2022年6月3日号

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