夏の国内旅行の行き先として根強い人気を誇るのが、リゾート地・沖縄だ。沖縄本島を訪れたことのある人ならわかるように、同地での足は基本的に電車ではなく「車」となる。しかし、お盆休みを前に、現地では異変が起きているのだという。
「レンタカーが借りられないんです。空きが見つかっても、軽自動車で3泊4日10万円という料金でとても手が出ません。車で各地を回る予定でしたが、プランを練り直さなければ……」
そうこぼすのは、お盆休みに沖縄本島への家族旅行を予定していた40代男性。現在、同地ではレンタカー不足が深刻化。稼働中の車は3年前の3分の1程度にまで減っているという。コロナ禍で事業者が減車を進めたためだ。
一方で観光客は増加傾向(今年6月の前年同月比で約175%増)にあり、需要と供給の関係からレンタカー料金は急騰。コロナ前は、夏の繁忙期でも1日あたり5000~1万円で借りられたコンパクトカーが、今では2~3倍に跳ね上がっているケースもある。那覇市内のレンタカー業者が明かす。
「外国人客はほぼゼロのままですが国内客が想定した以上に増え続け、この夏はキャンセル待ちが50件以上に達している。増車したくても、半導体不足による自動車メーカーの減産などで車を確保できないのが現状です」
レンタカーが借りられず、旅程を変更したり、宿泊施設をキャンセルするケースも相次いでいるという。ビーチ滞在など行動範囲が限られていれば別だが、「ゆいレール(沖縄都市モノレール)」があるだけで鉄道網がない沖縄で、観光客にとってレンタカーは貴重な移動手段。どうしても車を借りたい人はどうすればいいのか。
「沖縄本島であれば、空港近辺や那覇市以外のレンタカー事業者を当たってみるのも一手です。手間はかかりますが、ネット予約を受け付けていない業者もあるので、電話でまめに問い合わせるのがよいでしょう」
そう話すのは、沖縄県在住のタウン誌記者だ。他にも方法はあるという。