中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

都道府県の魅力度ランキングを考察 佐賀県移住者は「住めばどれだけ良い県かわかる」

唐津・波戸岬から見た玄界灘

唐津・波戸岬から見た玄界灘

 なんというか、この手のランキングでいつも思うのは、「よく知らないから低い位置になる」という傾向が見て取れるのです。あとは、回答者に首都圏の人間が多いだろうから、その人たちの印象にも左右されやすい、と感じます。

 もし、ブランド総研の調査を3年前の私が受けた場合、佐賀県については低く評価していたでしょう。ただ、実際に住んでみるととんでもなく良い県であることが分かるのです。私が現時点で「好きな都道府県を挙げよ」と言われれば以下のようになります。

1位:東京都
2位:佐賀県
3位:京都府
4位:神奈川県
5位:静岡県
6位:富山県

 7位以下については正直「分からん」としか言えません。理由は、そこまで判断する材料がないからです。この6都府県のみ、判断材料があるためこうして評価できますが、他の41府県については「よく知らないから評価できない」となるんですよね。

期間限定・唐津の「グリーンビーチハウス」の様子

期間限定・唐津の「グリーンビーチハウス」の様子

 ブランド総研の調査では、佐賀について毎年散々な評価ではありますが、正直こちらとしては「もし、お前らの会社の社員が『佐賀の魅力度を上げるためにコンサルしてあげよう』なんてやって来たら、すぐに追い返すぞ。これまで散々バカにしてくれたんだからな」という閉鎖的な発想になってしまいます。

 実際に住んでみると、どれだけ佐賀が良い県か分かるんですよ。メシはうまいし物価は安いし、人々は穏やか。車もバンバン道を譲ってくれるし、人々は「ウチにいらっしゃい!」と親切。まさかこんなフレンドリーな県があったのか……、と思う日々が続いており、私としては自身の故郷・東京に次ぐ第2位の魅力的な街です。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『よくも言ってくれたよな』(新潮新書)。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。