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「空き家負担」をゼロにするための最終手段「相続放棄」の手続きガイド 注意すべきはタイムリミット

ひとつでも該当する人は要注意!相続放棄は必要?チェックリスト8

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相続放棄はゼロか100

 一方、この3か月の間に「やってはいけない」ことにも気をつけたい。

「この間に故人の家や土地の名義を変更したり、預金を使ったら『相続した遺産を処分した』とみなされ、放棄が認められない可能性がある。“相続する気で慌てて名義変更を済ませたら、後に負の遺産が見つかった”という相談例も多い。田舎の山林など“いらない不動産”も後にわかるケースがあります」(椎葉氏)

 また法定相続人である故人の子供が全員、相続放棄の手続きをすると、相続人は第二順位(故人の両親)、第三順位(故人の兄弟姉妹甥姪)へと移行する。相続放棄をする場合は、こうした「次の相続人」への連絡を欠かしてはならない。

「伝えておかないと、相続人となった親族がよくわからないまま“負動産”の所有者となり、税金や維持費の負担を求められるかもしれません。親族間のトラブルを避けるためにも相続放棄したら、必ず次の相続人に連絡してほしい」(椎葉氏)

 そして最も大切なのは、親が亡くなる前から準備をしておくことだ。

「相続放棄はゼロか100かで、金融資産は相続するけど不動産は放棄するという“いいとこ取り”はできません。親の死後の短い期間で慌てて決断して失敗しないよう、生前から資産をきちんと把握しておき、やがて来る日に備えて家族で話し合っておくことが最も大切です」(椎葉氏)

 勇気を持って手放すことでプラスになることもある。生前から万全の準備を重ねるのだ。

※週刊ポスト2023年3月31日号

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