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【日本株週間見通し】東京株式市場はもみ合いか 3月最終週は需給の強弱材料混在

先週の日経平均は小幅反発

先週の日経平均は小幅反発

 投資情報会社・フィスコが、株式市場の3月20日~3月24日の動きを振り返りつつ、3月27日~3月31日の相場見通しを解説する。

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 先週の日経平均は週間で51.46円高(+0.19%)と小幅反発。週足のローソク足は上下にヒゲを伴った陽線を形成し、終値では主要な移動平均線の上方を維持した。

 週明けの東京市場は大幅に下落。一時株価が大きく上昇していた米地銀ファースト・リパブリック・バンクが再び下落に転じたこともあり、金融システム不安が再燃するなか売りが先行した。スイスUBSが経営危機に陥っていたクレディ・スイス買収で合意したとの発表などを受け、安心感が広がる場面もあったが、懸念払拭には至らなかった。一方、祝日明けは大幅に反発。米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ停止観測が高まったほか、イエレン財務長官が中小銀行の保護で必要に応じた介入方針を表明したため金融システム不安が後退、買い戻しが強まった。

 ただ、その後は上値の重い展開が週末まで続いた。FOMCの結果やパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見は概ね予想通りでタカ派・ハト派とも捉えにくい内容だったため、あく抜け感には至らなかった。また、米銀行の経営不安や景気後退懸念がくすぶっていたこともあり、戻り待ちの売りが優勢だった。

 今週の東京株式市場はもみ合いか。先行き不透明感はくすぶるものの、金融システム不安については目先の峠を超えたと思われる。米国では金融当局と政府らが協力し、保有債券を額面通りに評価した上で資金貸付を行う「バンク・ターム・ファンディング・プログラム」を設定。また、日米欧の6中央銀行によるドル資金の供給強化など流動性不安を払拭するための支援策を相次いで発表した。さらに、イエレン米財務長官も条件付きとはいえ、必要に応じた預金保護の追加措置の用意があると述べている。UBSによるクレディ・スイスの買収救済劇の際に無価値となって波紋を呼んだAT1債については、利回りが急上昇する中、欧州市場で6月、9月にまとまった償還が予定されており、今後も折に触れて金融不安が再燃する可能性はありそうだが、不安心理のピークは過ぎたと思われる。

 21-22日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25ポイントの利上げが行われたほか、量的引き締め(QT)の継続方針が示された。2023年内の利下げを検討していないとする従来方針も維持され、利上げやQTの停止、年内の利下げが一部で指摘されていた事前予想よりもややタカ派な印象もあった。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げの一時停止について議論したことを認めたほか、銀行の経営不安がもたらす与信環境の引き締まりが利上げと同等以上の効果を生む可能性を指摘するなど、今後の状況次第ではハト派化する柔軟な姿勢も見られた。金融システム不安が台頭する前に大幅な引き上げが想定されていた2023年末の政策金利中央値も昨年12月から据え置かれ、利上げ停止が近づいていると推察される。

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