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ビッグモーターからの初の逮捕者は「兼重宏一副社長に目をかけられていた」 街路樹伐採した「環境整備推進委員」の芳しくない社内での評判

ビッグモーター騒動はまだまだ収まらない(時事通信フォト)

ビッグモーター騒動はまだまだ収まらない(時事通信フォト)

 ついに初の逮捕者が出た。1月30日、中古車販売大手ビッグモーター(BM)の店舗周辺の街路樹が伐採されるなどした問題で、川崎店(神奈川県)に伐採を指示したとして器物損壊容疑で同社社員の蒲原敏之容疑者(51)が逮捕された。逮捕容疑は2022年10月12日、別の社員と共謀し、川崎店前で歩道脇のオオムラサキツツジ6本(10万円相当)を切断して損壊したというものだ。さらに2月1日には、蒲原容疑者と共謀したとして川崎店の元店長(33)と元店員(42)の男性2人を書類送検されるなど動きを見せている。

 これまでBMにまつわる一連の騒動を取材し続けてきた自動車生活ジャーナリストの加藤久美子氏は蒲原容疑者の仕事ぶりや素顔についてこう語る。

「12月初旬頃から『蒲原さんが逮捕されるかも……』という話はビッグモーター周辺の関係者から出ていました。蒲原氏は九州の出身でビッグモーターの九州の支店で働いていた。その頃から洗車や車内清掃、店舗の掃除など環境美化を担当し、それが兼重宏一副社長の目にとまり、本社で『環境整備推進委員』という肩書を持つようになっていった。

 主に副社長の兼重宏一氏がほとんど月イチくらいのペースで全国の支店の整備環境をチェックして回ります。店舗に並べた300台の車の駐車位置が1センチずれてもダメ、店舗内のトイレットペーパーが三角に折っていなかったり髪の毛が床に落ちていたりしてもダメという厳しいもので、その中には街路樹の葉っぱや側溝に溜まった落ち葉なども厳しくチェックされるわけです。

 本社の『環境整備推進委員』と言いますが、実質的には蒲原氏が1人で担当し、こうした兼重親子らの意を汲んで、店長らに厳しく“指導”していたようです。今回は川崎市の支店につつじを切るように要請したことで器物損壊の容疑で逮捕に至りましたが、蒲原氏本人がいくつかの店舗の前で街路樹を切っているところの目撃例もあり、今後はそういう余罪も追及されていくんではないでしょうか」

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