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【注目銘柄】荏原実業:公益性による安定性とテーマ性兼ね備えた底力ある銘柄

荏原実業(6328):市場平均予想(単位:百万円)

荏原実業(6328):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 荏原実業(6328)は、1945年創業の水・環境エンジニアリング企業。主に、環境関連機器・装置の製造・販売、水処理施設などの各種プラント類の設計・施工、風水力冷熱機器などの仕入・販売を行っています。

 展開する事業セグメントは、風水力機械・空調機器・水処理装置などを提供する「商社事業(風水力冷熱機器関連)」、上下水道施設向けの設計・施工を手がける「エンジニアリング事業(水処理関連)」、独自の環境関連製品を製造・販売する「メーカー事業(環境関連)」の3つとなります。

 メーカー事業では、「オゾン」「省エネ・創エネ」「脱臭」「水処理」「水産」等の分野で製品開発から販売まで行っています。

 ニッチで専門性の高い製品開発を基本方針としています。ニッチ分野での競争力の高い製品を開発し、トップシェアを獲得することで採算性の高いビジネスを実現しようというわけです。このニッチトップ戦略によってメーカー事業では粗利益率50%を目指しています。足元2023年度では42.6%で、これは製造業の中でも高い精密機器の平均粗利益率も上回る高い水準となっています。

注目ポイント

 成長を牽引する主な事業分野は「Air:オゾン」「Water:水処理」「Ground:脱臭」の3つ。

 例えば、オゾンの分野では、パイオニア的存在として知られます。

 同社は業界に先駆け、殺菌、脱臭、酸化力に優れるオゾンの特性に着目し、1976年からオゾンの研究開発に着手。オゾン利用に不可欠な濃度計や制御用測定システムを開発してきました。

 オゾンモニタは、浄水場・下水処理場・屎尿処理場の水質浄化、また半導体製造プロセスにおける成膜・精密洗浄等に幅広く利用されており、国内トップシェアを獲得しています。

 最近では、水銀フリーのオゾンモニタを開発しました。水俣条約などで制限される水銀を使わず、環境負荷低減を実現する製品として買い替え需要も見込まれます。2024年4月に受注を開始する予定となっています。

 工業分野以外でも、オゾンの計測・制御技術を応用して様々な製品を開発しています。オゾンには分解すると酸素に戻り無害化する特性があり、これを利用して近年では、医療分野へ事業領域を拡大させています。例えば院内感染防止用の空気清浄機能付オゾン室内除菌装置がありますが、残留性なく耐性菌MRSAを作らない優れた除菌手段として導入されています。

 この他、バイオテクノロジーを駆使した独自の脱臭技術にも強みを持っています。バイオの力を利用した製品に「ポエフ」という脱臭剤があり、それを進化させた液相脱臭装置「ボエフリアクターシステム」は汚泥の緑農地還元や汚水処理施設の悪臭防除に利用されています。

【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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