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【注目トピックス 経済総合】NYの視点:スウェーデン中銀が利下げ、ECBやFRBに先駆け

*07:41JST NYの視点:スウェーデン中銀が利下げ、ECBやFRBに先駆け
スウェ―デン中銀はスイス国立銀行に続いて2016年以降8年ぶりの利下げに踏み切った。低調な国内景気に対処する目的で政策金利を従来の4%から0.25%ポイント引き下げ3.75%とした。経済活動が低調に推移する一方、インフレ率が目標に近づきつつあり、金融政策の緩和が可能だと判断。下半期にはさらに2回の利下げを見込んでいると加えた。スウェ―デンの国内総生産(GDP)は3四半期連続のマイナス成長とすでに景気後退入りしている。インフレも2年ぶりの低水準。

欧州中央銀行(ECB)や連邦準備制度理事会(FRB)に先駆け。短期金融市場は欧州中央銀行(ECB)の6月の利下げ開始を織り込んでいる。しかし、ECB政策当局者の一部は利下げに慎重な見解を示している。ベルギー中銀のウンシュ総裁は賃金の伸びなどを背景とし、インフレ見通しを巡る上方リスクが継続する可能性や、FRBとの経済、金融政策の乖離によるユーロのインフレへの影響を警告し、今は、金利軌道を公約する時期ではないと主張。また、ホルツマン・オーストリア中銀総裁も、「過剰にはやく、大幅に金利を引き下げる理由は見あたらない」と、早期の利下げに注意を促した。

米国経済は、減速の兆しがあまり見られない。米商務省と類似したモデルを使用しているため注視されるアトランタ連銀の国内総生産(GDP)見通しにおいて、第2四半期国内総生産(GDP)の成長見通しは4.18%と、従来の3.31%から上方修正された。パウエル議長も直近の連邦公開市場委員会(FOMC)会合後の会見でインフレの2%目標達成を一段と確信するまで予想以上に時間を要する可能性を認めた。しかし、インフレは引き続き鈍化基調にあると利上げの可能性を否定した。ボストン連銀のコリンズ総裁は8日講演で、インフレの2%目標達成が想定以上に時間を要する可能性があり、インフレの目標達成がより確実になるまで、現行金利を維持すべきだとの考えを示した。金融政策が緩やかな引き締め的で、金融引き締めの効果が経済にまだ十分に反映していない可能性もあると指摘。同時に、「過剰に早い利下げにはリスクがある」と警告。24年にディスインフレの進展は見られないと悲観的見通しを示した。

米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁も現行の金利がインフレ制御に十分に引き締まっているかどうかに懐疑的見解を示し、必要とあれば長期にわたり現行の金利を維持、または、利上げも辞さない姿勢を見せた。両総裁とも24年の投票権は持たない。

ユーロ・ドルは重要な節目となる200日移動平均水準の1.0795ドルを試すも突破できず。当面ドル高基調が継続する可能性がある。

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