やがて日も傾いてきたので、終着駅の上総亀山駅へ向かう。せっかくなので、駅近くの踏切での登り坂を登ってくる久留里線の気動車を撮影してみた。
撮影後すぐに駅に向かうと、16分折り返しの間に鉄道ファンが駅周辺に多数いた。駅前の雑貨屋でサワーを購入し、17時15分久留里駅行きに乗り込む。今日5回目の久留里線乗車となった。さきほど寄ったばかりの上総松丘駅からはインドネシア人らしき若者が多数乗ってきた。近くにある特別養護老人ホームに勤める人たちだろうか。
久留里駅で12分乗り継ぎとなり、最後に降りたのが木更津の2つ手前の上総清川駅である。この駅の近くにある「ブォーナフォルトゥーナ」というイタリア料理店に行くためだ。一人旅なのだが、イタリアのカンパーニャ州の赤ワインが、20周年のセールで1万3850円のものが4850円で提供されており、ついつい頼んでしまった。コースのパスタもスパゲティからニョッキに変更し、久留里線の締めのディナーを楽しむことができた。1時間に1本しか運転していないので、食事の終了時間を列車の出発時刻にあわせなければいけないことだけが玉に瑕ではあるが。
木更津の2つ手前の上総清川駅で下車し、駅の近くにあるイタリア料理店「ブォーナフォルトゥーナ」へ
「ブォーナフォルトゥーナ」では1万3850円のカンパーニャ州の赤ワインが、20周年のセール価格の4850円で提供されていた。旅先で心置きなく飲めるのも鉄道旅の魅力
このように使い倒すことができる「休日おでかけパス」。久留里駅以遠がいつ廃止されるかは分からないが、具体的な日付が決まれば、さらに鉄道ファンが集中するだろう。いまが最後の「行き時」なのかもしれない。
【プロフィール】
橋賀秀紀(はしが・ひでき):トラベルジャーナリスト。東京都出身の50代。訪問国は135か国・渡航回数200回以上。著書に『世界一周航空券バイブル』(イカロス出版)など。