*11:02JST JIGーSAW Research Memo(2):システムマネジメントなどデータコントロール事業を展開
■会社概要
1. 会社概要
JIG-SAW<3914>は、インターネットサービスやインターネットに接続される機器を自動で監視し、検知した状況に応じて制御するデータコントロール事業を展開している。同事業は、システムマネジメントとIoT向け各種サービスに分けられ、主力のシステムマネジメントでは、独自開発したロボット型自動運用プラットフォームによって、各種物理サーバやクラウドサーバからIoTデバイスやネットワーク機器まで、自動監視や運用などを行うマネジメントサービスを提供している。IoT向け各種サービスでは、IoTを活用する際に必要な機能をパッケージ化したIoTコントロールモジュールを手掛け、多くの企業・産業にライセンス供与を行っている。また、自動運転やスマートホーム・スマートシティなど各種先端プロジェクトにも取り組んでいる。同社の強みは基盤(コア)技術とそのビジネス化にあり、強みをテコに内外の大手有力企業との連携やプロジェクトの収益化を進め、成長に弾みをつけているところである。
基盤技術によって自動化・無人化を促進
2. 事業内容
同社は、設立時から培ってきたOSに関する開発技術や信号制御技術などの基盤(コア)技術によって、自動化・無人化のビジネスをデザインすることで、全世界のインターネット・IoT技術の中核を担うことをミッションとしている。そして、A&A(Auto Sensing×Auto Control:保有する独自のコア技術を応用した自動検知及び自動制御)をコアコンセプトに、インターネットとつながる世の中のすべてのモノを快適かつ安定して稼働させるため、システムマネジメントサービスやIoT向け各種サービスを提供している。この2つのサービスは、IoT領域において自動監視や運用によりデータをコントロールしている点、生成AIを実装することでより大きな効果を得ている点で共通している。
(1) システムマネジメント
「JIG-SAW OPS」は、同社システムマネジメントのブランドで、A&Aを実現する基盤技術の1つである、同社独自開発のロボット型自動運用プラットフォーム「puzzle」をベースに、各種物理サーバ、クラウドサーバ、ハイブリッドサーバ、IoTデバイス及びネットワーク機器などを対象に、あらゆるインターネットサービスを見守ることができる。センシング(遠隔自動監視)から自動制御・コントロール、フルマネジメント、日々の運用・サーバ保守業務及び連携までの一貫したサービスを特徴としており、センシングでは、独自システム「puzzle」によりサーバなどの監視を自動制御している。また、AWS(Amazon Web Services)やGoogle Cloud、Microsoft Azure、オンプレミス(自社サーバ)などマルチサーバに対応するだけでなく、顧客ニーズに柔軟に合わせることも可能で、顧客の業務負荷の軽減や運用コストの削減をサポートすることができる。さらに、従来人力で対応していた様々なセキュリティリスクを自動的に判別して対応を通知する「Safing」や、クラウドの請求代行から導入支援、運用保守までを包括的に支援する「JIG-SAW PRIME」といったサービスも展開している。
今般同社は、「JIG-SAW OPS」サービスに、これまでの膨大な運用経験とナレッジに基づいたプロフェッショナルメニューを導入した。数百に細分化されたメニューをベースに、システム監視・運用、セキュリティ対策支援、運用業務代行、コスト削減支援、IoT監視・運用、クラウド導入支援、問い合わせ代行の7つの専門領域それぞれにプロフェッショナルチームと専門スタッフを配置している。このため数千通りにも及ぶサービスプランを自在に組み合わせることができ、ユーザーにとって最適なカスタマイズが可能となった。その最大の特徴は、現場のリアルな課題に応える実用性と、生成AIなどの先進技術などに対応する柔軟性を兼ね備えた設計となっており、コスト効率と品質の両立を追求しながら最大のパフォーマンスを発揮できる点にある。また、直感的でわかりやすいブランドサイトでは、明朗な料金テーブルを表示するとともに、サービスやオプションの組み合わせなどをシミュレーションできるため、精度の高いサービス提供が可能となっている。
(2) IoT向け各種サービス
同社は、あらゆる産業のIoTシステムやIoTデバイスを対象に、組み込み済みのマイクロプロセッサ向けエンジンからマシンの安全管理サービスまで、オールインワンのIoTソリューションを提供している。ソリューションの中心となる独自開発したIoTエンジン「NEQTO」は、モーターや機器・設備などエッジデバイスから通信経路・クラウドまで、IoTに必要な制御機能が統合パッケージ化された内蔵システムで、あらゆるIoTプラットフォームサービスと安全かつ容易に接続することができ、その特徴は、IoT-AI(neqto.ai)データコントロールとIoT-OEM※ライセンスにある。IoT-AI(neqto.ai)データコントロールは、生成AI機能を実装したデータコントロール基盤で、エッジからクラウドまでのEnd-to-End(通信・ネットワークの端末を結んだ経路全体)のデータストリーム各所で自動検知と自動制御を行うことができる。大小問わず様々なIoTビジネスとの対応が可能なため既に多くの業界で活用され、日本だけでなく、米国、中国及び台湾でも特許を取得している。米国子会社とともに、イベントを中心として北米で大規模なプロモーションを展開するなど、グローバル規模での事業展開を進めているところである。IoT-OEMライセンスでは、IoTエンジンをハードウェアに組み込んでOEMとしてライセンス提供しているほか、開発済IoTエンジンとクラウド型管理を組み合わせたSaaS型ライセンスも提供しており、いずれもハイレベルなセキュリティを実装している。
※ OEM(Original Equipment Manufacturer):他社ブランドの製品を製造すること。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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