トランプ大統領が中間選挙に勝つための唯一の手
延期による猶予期間のうちに各国との個別交渉を進めるシナリオだった。そうしたなかでの今回の米中の共同声明については、高関税を突きつけられた中国側が押し戻したとみる向きもある。ただ、トランプ氏が国内向けにどうアピールするかは別問題だと平野氏は見る。
「関税を発動しながら延期したこと、あるいは今後の交渉結果についても、トランプ氏が政策の修正を余儀なくされている側面がありますが、それを失敗ではなく、成功として胸を張るつもりではないか。関税戦争の結果について、“自分が獲得した米国の利益”として大きくアピールするわけです。実際、トランプ関税戦争の終結が見えれば、極端な弱気論で売られた株価も大きく戻すことになると考えられます。そうして世界をトランプ・バブル(株価急騰)へ誘導することが、トランプ氏にとって来年の中間選挙にも勝つ唯一の手なのではないか」
トランプ関税の発動以降、市場は乱高下を繰り返してきたが、そうしたなかでも経験豊富な投資家たちは先の展開を見越して動き出していた。別記事『【トランプ・ショックからトランプ・バブルへ】シゲルさん他6人の“億り人”が厳選「今こそ仕込み時の注目銘柄」25』では、億り人たちが具体的にどのような銘柄に注目しているのかを詳しく解説している。