*08:04JST NYの視点:米5月NY連銀インフレ期待率が低下、労働市場や景気への懸念は緩和
米NY連銀が5月消費者調査を発表した。連邦準備制度理事会(FRB)も金融政策決定において重要視している期待インフレ動向を判断するうえで注目するインフレ期待は短中期先で軒並み低下した。1年先は3.2%と、4月3.63%から予想以上に低下した。3年先は3.0%と、4月3.17%から低下、5年先も2.61%と4月2.74%から低下した。中国と関税低下で合意したことが奏功したと見られる。
一方、米失業率が1年先に上昇する確率は40.8%と、4月44.1%から3.3%ポイント低下。今後3カ月間に債務返済が停滞する確率も13.4%と、4月13.9%から0.5%ポイント低下し、1月来で最低となった。金融ひっ迫状況の緩和、労働市場や景気低迷への懸念は後退した。
インフレ期待の低下は利下げを正当化する。一方で、労働市場への消費者の自信は堅調で、経済は引き続き底堅く推移する可能性は速やかな利下げの必要性を弱める。
■米5月NY連銀消費者調査
●インフレ期待
1年3.2%(予想3.5%、4月3.63%)、3年3.0%(4月3.17%)、5年2.61%(4月2.74%)
●米失業率が1年先に上昇する確率:40.8%(4月44.1%)
●今後3カ月間に債務返済が停滞する確率:13.4%(4月13.9%)
●来年のガソリン価格期待:+2.71%、食品価格期待:+5.52%、
医療コスト期待:+7.39%、大学教育費期待:+7.52%、賃貸期待:+8.4%
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