*15:05JST 株式会社ケイファーマ×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(5)
ケイファーマ<4896>
最終的に選定された化合物が「ロピニロール」という成分です。この化合物を用いて、臨床試験を実施することとなりました。今回は医師主導治験という形で進めています。
当初は、ALS患者は国内で約1万人程度とされており、参加希望者はそれほど集まらないのではないかと予想していました。そのため、まずは慶應義塾大学病院で実施し、20例という最小限の症例数で統計的な意義を見出す計画を立てました。ところが、大学のホームページで公募を行ったところ、なんと1,200人もの応募が集まりました。これは、国内におけるALS患者の1割強にあたります。東京近郊に居住する患者の多くが応募したと考えられ、現在使える薬が非常に限られているという現状が背景にあると思われます。
治験では、15対5の割合で実薬群とプラセボ群に分ける設計としました。試験の主目的は安全性と用量設定、すなわちどの程度の量まで服用可能かという点の検証です。この点については問題なく、全参加者が16mgという比較的高用量での服用が可能でした。
もう一つの注目点は、有効性に関する指標です。ALS FRS-Rという総合評価スコアを用いたところ、実薬を継続して服用した群では、スコアの低下が著しく抑えられ、病状の進行がほとんど止まるという結果が得られました。一方、24週までプラセボを服用した後に実薬へ切り替えた群では、一度進行が進んだ後にようやく効果が現れる傾向が見られました。これは、効果が発現するまでに半年以上かかる可能性があることを示唆しています。この試験でこれほど明確な差が出た薬剤は、ALS治療において今回が初めてです。現在、フェーズ3の治験に向けて準備を進めている段階です。
結論としては、安全性および忍容性に問題はなく、実際の治験では7か月から1年間の期間で、病気の進行を遅らせることができたという結果になりました。
現在、国内においては、神経領域に特化した製薬会社であるアルフレッサ ファーマと連携し、国内の薬事申請および開発を共同で進めている状況です。さらに、今後は海外展開も見据えた準備を進めています。
株式会社ケイファーマ×著名投資家はっしゃん氏対談動画文字起こし(6)に続く
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