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【注目トピックス 日本株】アジア投資 Research Memo(1):2025年3月期は大幅増益となり黒字転換を達成

*11:01JST アジア投資 Research Memo(1):2025年3月期は大幅増益となり黒字転換を達成
■要約

日本アジア投資<8518>は、日本とアジアにまたがる独立系の総合投資会社として、プライベートエクイティ投資(以下、PE投資)や再生可能エネルギー等のプロジェクト投資(実物資産投資)を手掛けている。革新的な技術やビジネスモデルを持ち、高い成長力を有するベンチャー企業及び中堅・中小企業等への投資や成長支援を通じて、日本とアジアの両地域における産業活性化や経済連携の拡大などに貢献してきた。また、最近では上場企業にも投資対象を広げ、上場企業の成長戦略や資本政策を支援している。同社グループが管理運用等を行っているファンド運用残高は、2025年3月期末時点で14,130百万円(10ファンド)である。

1. 2025年3月期の概要
2025年3月期の業績(ファンド連結基準※)は、営業収益が前期比26.5%増の3,092百万円、営業利益が105百万円(前期は1,150百万円の損失)となった。

※ 同社は2007年3月期より、「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」を適用し、同社グループが運営している投資事業組合等の一部を連結範囲に加えるファンド連結基準に移行している。なお、ファンド連結基準は同社以外の外部出資者の持分が含まれていることやファンドごとの財務方針が反映されるところに注意する必要がある。同社では投資家からの要望に応じて従来連結基準も同時に開示しており、弊社でもより実態を示しているとの判断から従来連結基準による分析を行っている。

従来連結基準では、営業収益が前期比122.9%増の2,150百万円、営業利益が273百万円(前期は1,522百万円の損失)と、大幅な増収により黒字転換を実現した。予定していた投資金額の比較的多額な未上場株式の売却は持ち越しとなったものの、障がい者グループホーム(16棟)をはじめとするプロジェクトの売却が順調に進み、増収に大きく寄与した。損益面でも売却益の増加に加え、評価損・引当金の縮小により大幅な増益となり、黒字転換を実現した。一方、AUM(運用資産規模)の積み上げは未達となったものの、ファンドの増額・新規組成に向けて複数案件が企画進行中である。

2. 2026年3月期の業績予想
同社は株式市場等の変動要因による影響が極めて大きく、合理的な業績予想が困難な事業特性であることから業績予想(ファンド連結基準)の公表を行っていない。ただ、2026年3月期については、ある一定の前提をもとに策定した「従来連結基準による見込値」を参考情報として開示している。

「従来連結基準による見込値」によれば、2026年3月期の営業収益は前期比13.9%増の2,450百万円、営業利益は同82.6%増の500百万円と引き続き増収増益となる見通しだ。前期からの持ち越しとなった未上場株式を含む、複数の未上場株式の売却を見込んでいる。一方、プロジェクトの売却については、物流施設や障がい者グループホームなどを予定しているものの、金額・件数は前期比で減少する計画となっている。損益面では、事業拡大に向けた人員増により販管費が若干増加するものの、未上場株式の売却益を中心に大幅な増益を実現する想定だ。

3. 中期経営計画の方向性
2024年8月に公表した3ヶ年の中期経営計画では、国内外の投資家とのネットワークやファンド運営のノウハウ等を生かしてファンドビジネスの強化を図る方針である。自己資金による投資を抑制・圧縮する一方、AUMを増やしてAMフィー(アセット・マネジメント報酬)※による安定収益を積み上げるとともに、財務の健全化をさらに進める。最終年度の2027年3月期に営業収益2,800百万円、営業総利益2,200百万円、営業利益1,250百万円、経常利益1,250百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,000百万円の達成を目標に掲げている(従来連結基準)。

※ AMフィーはAUMに対して2%を計画している。

■Key Points
・2025年3月期はプロジェクトの売却が順調に進捗し、大幅な増収増益を達成
・AUMの積み上げはスローな立ち上がりも、今後の拡大に向けた動きが活発化
・2026年3月期は未上場株式等の売却により、引き続き増収増益を見込む
・中期経営計画では、ファンドビジネスの強化によりAUM拡大と安定収益の積み上げを目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

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