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FiscoNews

【注目トピックス 日本株】京葉瓦斯 Research Memo(2):都市ガス供給を軸に、電力小売、不動産、ガス工事・ガス機器販売などへ業容拡大

*13:02JST 京葉瓦斯 Research Memo(2):都市ガス供給を軸に、電力小売、不動産、ガス工事・ガス機器販売などへ業容拡大
■会社概要

1. 会社概要
京葉瓦斯<9539>は、千葉県北西部を主要な供給区域として、都市ガスの製造・供給・販売を行っている。加えて、主に都市ガスの顧客向けの電力販売や、不動産の賃貸、ガス内管工事・ガス機器販売、ガスメーターの検針、情報処理サービスなどを手掛けている。また、「ハウスクリーニング」、ガス機器や水回りの「まるごとサポート」、リフォームサービス「クラシモ」など、地域の顧客の生活を幅広く支援する「くらしサポートサービス」も提供している。

電力・ガスの自由化や資源価格の高騰などエネルギー業界を取り巻く環境が変わるなか、2030年のありたい姿として「“つぎの「うれしい!」”をご提供することで、お客さまの“期待を超える”存在となる」を掲げ、「長期経営ビジョン2030」を策定した。現在はこのビジョンに基づき打ち立てた「中期経営計画2025-2027」に沿って事業を推進している。

2. 沿革
同社は、田中知一郎氏が同社の前身となる葛飾瓦斯(株)を1927年に設立し、都市ガスの供給を目的に創業した。第2次世界大戦後の1955年に、中興の祖とも言える菊池寛実氏により経営が引き継がれた。その後は2000年に向け、ガス供給力の強化、天然ガス化の推進、サービス体制や保安体制の充実、供給元の多様化などを進めた。2000年以降は、家庭用コージェネレーションシステム「エコウィル」や家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファーム」、太陽光発電システムの販売を開始するなど、業容を拡大した。2016年には小売電気事業者として電気の販売を開始し、2017年のガス小売全面自由化(導管事業・小売事業の会計分離)後はガス販売事業者としてほかのエリアへの進出を図った。また、市川工場跡地を開発する「リーフシティ市川」事業では、2023年に着工した賃貸共同住宅が2025年に竣工した。

3. 都市ガス事業の概要
都市ガス事業とは、主に都市部に敷設された導管を通じてガスを一般家庭・工場・商業施設などへ供給する事業である。導管網の敷設と運営には多額の投資とコストがかかるため、規模の経済性を生かせる都市部を中心に発展した。また、主な原料となる天然ガスの大部分は液化天然ガス(LNG)として海外から輸入されるため、需要地の近隣にある港湾地域のLNG受入基地を起点にガス導管網が扇状に整備された。このため、日本のガス導管網は全国的につながっておらず、全国各地の都市部を中心に約200(千葉県で16)の都市ガス事業者(一般ガス導管事業者)が点在しており普及エリアも国土面積の約6%に留まっている。これは、戦後復興期に安定電力の確保を優先するため、送電線・配電線を持つ事業者(一般送配電事業者)が10社に集約されたと言われる電気と対照的である。

なお、ガス小売は、1995年に工場などの大口顧客への自由化を皮切りに、段階的に自由化範囲が拡大された。そして、2016年の電気に続き、2017年4月には小口(家庭用)を含めたすべての顧客に対するガス小売が全面自由化された。これにより、既存の都市ガス事業者が幅広く行ってきた保安業務のうち、ガス機器の調査・危険発生防止の周知にかかわる保安業務は、新規参入事業者を含むガス小売事業者が担うこととなった。近年、オール電化の普及により熱源として電力の利用が増加傾向にあるが、台風や地震などの自然災害による停電リスクが懸念され、地中に敷設されている導管網ガスの優位性が見直されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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