株にとって大事なのは過去ではなく、将来の見通し
では、どのような銘柄を選べばよいのか。藤井氏は、大きな株価上昇が期待できる銘柄の条件に次の3つを挙げる。
【1】再建途上から復活を遂げようとする企業
【2】赤字から黒字に転換する企業
【3】利益の伸び率が50%以上の企業
「まず業績が芳しくなく再建途上にある企業が他社からの資本注入など支援を受けて復活を遂げようとするタイミングで株価は大きく反応します。
ただ、市場に常にそうした銘柄があるわけではない。そうした意味で注目したいのが、赤字から黒字に転換するタイミングの銘柄。それも今後の成長に向けたリストラや設備投資のコストがかさんで一時的に赤字転落したところはひとつの狙い目。加えて、赤字でも配当を出していた企業は財務体質が強いと考えられ、一時的な赤字でも無配になっておらず、来期に黒字が見込める企業なら買われる可能性が高まります。
そして、2ケタ、もっといえば50%以上といった大幅な増益が見込める企業も狙い目です。株価というのは『将来期待される利益の現在価値』を示し、当期よりも来期の利益が増えると期待されれば、株価はそれを先取りして上昇するわけです」
たとえば、当期利益が1000億円だった企業が、来期は2%増の1020億円を見込んでいる場合、手堅さはあっても株価に与えるインパクトは少ない。一方、前期で1000億円の当期利益があった企業が、今期は10分の1の100億円まで落ち込み、来期は50%増の150億円を見込んでいる場合、2年前から比べれば85%の減益だが、ここでは『50%増益』に対する期待が膨らむため、市場に与えるインパクトは大きくなる。
「株にとって大事なのは過去ではなく、あくまで将来の見通し。今後の成長期待を織り込んで株価は形成されていくものです」
では、狙い目となる個別銘柄をどのタイミングで買えばよいのか。マネーポストWEBの関連記事『俺がカブ番長!』では、藤井氏監修のもと、勝てる投資家になるためのあらゆる手段をコミック形式で紹介している。8月20日公開の第2回では、個別銘柄を選んだ後の「買い時」の見極め方についても詳しく解説している。