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【GRICI】日本政府が中国の抗日行事に「参加自粛」呼びかけたのは賞賛すべき(2)【中国問題グローバル研究所】

*10:40JST 日本政府が中国の抗日行事に「参加自粛」呼びかけたのは賞賛すべき(2)【中国問題グローバル研究所】
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「日本政府が中国の抗日行事に「参加自粛」呼びかけたのは賞賛すべき もう一歩進んで具体的理由を示すべきか(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。

◆愛国主義教育を反日教育に持って行った江沢民には個人的な理由が…
江沢民がトウ小平の指名を受けて中共中央総書記に就任したのは天安門事件後間もない1989年だが、国家主席に就任したのは1992年3月である(全人代の承認が必要)。

上海から突然中央にやってきた「おのぼりさん」を、北京派閥たちは嫌った。中でも北京市の書記をしていた陳希同は、自分が次期国家主席に指名されるべきだという願望を持っていたので、トウ小平に江沢民の出自をばらした。

江沢民の実父は、日中戦争時代、日本の傀儡政権であった汪兆銘政権管轄下にあった「ジェスフィールド76号」(通称:76号)という特務機関の官吏だった。だから金持ちの家で育っただけあって、江沢民はピアノも弾ければダンスもできる。酒が入れば炭坑節だって歌い出す。

ところが日本が敗戦すると、あわてて実父の弟の革命烈士(中国共産党員)の養子になったと偽り、共産党に入党した。今ではその過去を知らない人は少ないが、当時は、こんことを口にするのは絶対にタブーだった。陳希同を恨んだ江沢民は1995年に陳希同を牢屋にぶち込み、出自の過去を封印した。もし出自の秘密がばれたら、「売国奴」と罵倒され、国家主席どころか、共産党員になる資格さえない。

そこでその封印をより強固にして、「自分がいかに反日であるか」を人民に植え付けるために、「反日」を声高に叫び始めたのである。

反日傾向に逆らう者は、逆に「売国奴」として罵倒される。

1980年ごろから大陸に上陸した日本動漫(アニメと漫画)で育った中国の若者(中国動漫新人類)たちは、愛国主義教育によって「初めて知った反日感情」と「日本動漫大好きな日本愛」との間で葛藤していたが、日本アニメ上陸への厳しい検閲と、中国産アニメの増加および反日教育の中で、「中国共産党への愛」を育み始めている。

◆日中戦争中、毛沢東は日本軍と共謀していた
何度も書いてきたので、再び取り上げるのは心苦しいが、拙著『毛沢東 日本軍と共謀した男』に書いたように、毛沢東は日中戦争中、配下のスパイ・藩漢年らを上海にあった日本の外務省所轄の「岩井公館」に潜り込ませ、国民党の軍事情報を高値で日本側に売っていた。

今年7月10日の論考<習近平、BRICS欠席して抗日戦争「七七事変」を重視 百団大戦跡地訪問し「日本軍との共謀」否定か>(※2)の図表2に示したように、毛沢東は中共軍と日本軍との間での「停戦」をさえしようと藩漢年を通して日本側に伝えさせている。

スパイ相関図に関しては2024年8月16日の論考<中国共産党には日本に「歴史問題を反省せよ」という資格はない 中国人民は別>(※3)の図表に示したので、興味のある方はご覧いただきたい。

習近平としては何としても「中国共産党は抗日戦争の中流砥柱(中心的柱)である」として、中国共産党政権を維持したいと必死だろうが、父親の習仲勲は延安にいたので、延安時代の毛沢東の日本軍との共謀に関するスパイ行為に関しては知っている可能性がある。少なくとも習仲勲が最後まで守ろうとした胡耀邦は、毛沢東の日本軍との共謀を知っていた。

だから、なおさら、習近平としては何としても抗日戦争勝利80周年記念式典と軍事パレードを大成功に持って行きたいのだろうが、そのような「虚構」は必ずいつかは人類に不幸をもたらす。

過度に誇張した反日映画の上映も、江沢民の1995年のあの分岐点が無かったら、本来ならばなかったものであったかもしれないし、いずれ中国人民にも長い目で見れば、幸せをもたらすものではない可能性がある。

◆日本政府に望む
冒頭に書いたように、日本政府が今般、中国の抗日行事に「参加自粛」呼びかけたのは賞賛すべきことだ。可能ならば今後は、もう一歩進んで「なぜ適切ではないのか」、「なぜ参加を自粛すべきかのか」を書面に記して、各国に配布し、中国政府にも堂々と「日中戦争の真相と、1995年以降の反日教育の動機の不純さ」を示していくべきではないだろうか。

必要であるなら、「毛沢東が日本軍と共謀した事実」を、実際に日本軍と戦った「国民党軍」関係者とともに審議しチェックしていくことも試みるべきだろう。

2015年8月10日のコラム<戦後70年有識者報告書、中国関係部分は認識不足>(※4)に書いたように、10年前の報告書はあまりにもお粗末で、「反日教育」を「抗日教育」と書き間違えるほどレベルの低いものだった。

日本はアメリカにも中国にも恐れることなく、堂々と独立国家としての見解と見識を広めていくべきだと思う。それこそが「戦争を再び招かない未来」へとつながっていく道だと固く信じる。

この論考はYahoo!ニュース エキスパート(※5)より転載しました。

中国 抗日戦争勝利80周年軍事パレードのリハーサル(写真:ロイター/アフロ)

(※1)https://grici.or.jp/
(※2)https://grici.or.jp/6453
(※3)https://grici.or.jp/5541
(※4)https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/9218d09c402d54d4d6de0473f7e3f8052ed6e9d3
(※5)https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/2dc3f68e50cdbab4eb2961d0775b662f5bef316b

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