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【注目トピックス 日本株】セレンディップ Research Memo(1):大型M&Aによって今期、中期ともに上方修正の可能性

*11:01JST セレンディップ Research Memo(1):大型M&Aによって今期、中期ともに上方修正の可能性
■要約

1. 会社概要と事業内容
セレンディップ・ホールディングス<7318>は、「日本の中堅・中小製造業を世界に誇れる100年企業へ」というミッションを掲げ、事業承継という課題を抱える日本の中堅・中小製造業の経営革新を支援している。3つの事業を展開しており、モノづくり事業では、事業承継を目的に高い技術力を持つモノづくり企業へのM&Aを実施し、同社のノウハウによって経営の近代化を進めることで収益力の強化を図っている。プロフェッショナル・ソリューション事業では、プロ経営者やエンジニアなどの派遣、ソフトウェアの受託開発、経営コンサルティングなどを行っている。インベストメント事業では、投資先の企業価値を向上させたのちに売却してキャピタルゲインを獲得する事業や、フィナンシャル・アドバイザリーサービスの提供などを行っている。

2. ビジネスモデル
同社は、中堅・中小の製造企業に対し、グループ化・フロー型・共同ファンドという3つの投資モデルやアライアンスによるM&A実行基盤、プロ経営者チームやバックオフィス業務の支援などによる経営管理基盤、見える化・標準化・省人化を通じて品質や生産性の向上を図るモノづくり基盤という3つの基盤で構成された「モノづくり事業承継プラットフォーム」をベースに、3事業を通じて事業承継トータルソリューションを提供している。これにより、中堅・中小製造業のオーナーに対して事業承継のソリューションを提供するだけでなく、同社にとっても、M&A実行基盤による非連続的成長と、経営管理基盤とモノづくり基盤によるオーガニックな成長を同時に実現するビジネスモデルになっている。

3. 中期経営計画の進捗
こうしたビジネスモデルが確立できたこともあり、同社は中期経営計画「セレンディップ・チャレンジ500」を策定した。事業承継M&A、海外進出、高付加価値領域への挑戦、フューチャーファクトリー、ホールディングスの企画機能強化といった成長戦略を推進し、2027年3月期に売上高500億円、営業利益25億円、ROE20.0%を目指す。特に売上高については、M&Aによる非連続的成長で250億円を達成する考えである。中期経営計画の進捗としては、事業承継M&Aでは初年度の2025年3月期に4社を、2026年3月期に入ってすぐに200億円企業をM&Aするなどといったロールアップ型M&A※などにより、売上が急拡大している。また、M&Aした企業などの海外事業を足場に海外進出に拍車をかけており、順調に立ち上がったと言えよう。

※ ロールアップ型M&A:同じ業界や関連業種の企業を複数買収・統合することで市場シェアを拡大するM&A戦略。

4. 上方修正含みの業績動向
2025年3月期の業績は、売上高が25,124百万円(前期比27.0%増)、営業利益が734百万円(同53.7%増)と過去最高業績を更新した。オーガニックな成長と4社のM&Aにより売上高と営業利益が大きく伸びたことが、増収増益要因である。2026年3月期の業績見通しについて同社は、売上高40,000百万円(前期比59.2%増)、営業利益1,800百万円(同145.0%増)と引き続き好業績を見込んでいる。2025年3月期に実行したM&Aが通期寄与することで大幅増収増益予想となったが、同社はM&Aに関して期初予想に織り込まない方針のため、2025年7月に子会社化した(株)サーテックカリヤの業績は見通しに含まれていない。シナジーや業績へのインパクトが大きいため、今後、通期業績予想や中期経営計画が上方修正される可能性が高いと思われる。

■Key Points
・事業承継トータルソリューションカンパニーとして中堅・中小製造業の経営革新を支援
・中期経営計画で2027年3月期売上高500億円を目指すが、初年度の立ち上がりは順調
・2026年3月期も引き続き好業績予想だが、大型M&Aもあって上方修正含みの展開へ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)

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