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【注目トピックス 日本株】コンフインタ Research Memo(5):ゲーム業界の市況悪化の逆風下で、M&A効果により増収増益を確保(1)

*12:05JST コンフインタ Research Memo(5):ゲーム業界の市況悪化の逆風下で、M&A効果により増収増益を確保(1)
■コンフィデンス・インターワークス<7374>の業績動向

1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期の連結業績は、売上高が前期比12.1%増の8,392百万円、営業利益が同9.0%増の1,303百万円、経常利益が同14.8%増の1,311百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同43.2%増の1,039百万円と、増収増益を達成した。2023年8月に実施されたインターワークスとの合併により、業績が連結に取り込まれたことが増収の主因である。前期はインターワークスの業績が8ヶ月分のみの計上に対し、当期は通期で寄与したことが増収の要因の一つである。合併に伴い、年間164百万円ののれん償却費が発生しているものの、バックオフィス費用の一本化や重複業務の削減など、合併によるコストシナジー創出に注力したことで、営業利益も増益を確保した。親会社株主に帰属する当期純利益が大幅に増加したのは、2024年12月に実施した連結子会社であるDolphinの全株式売却が主な要因である。

期初に公表された業績予想に対しては、売上高で93.2%(9,000百万円の計画に対し8,392百万円の実績)、営業利益で93.1%(1,400百万円の計画に対し1,303百万円の実績)の達成率で、計画を若干下回る結果となった。主力のHRソリューション事業(人材派遣・受託)においてゲーム業界の市況変化により稼働数の積み上げに苦戦したことが影響している。しかしながら、フリーランスマッチング事業の順調な成長や、人材紹介事業、メディア&ソリューション事業の利益率改善が、全体の減益幅を最小限に抑えることに貢献した。事業ポートフォリオの多角化と積極的なコストコントロール、合併によるシナジー効果により、全体としては堅調な利益成長を示したといえる。

2. 事業セグメント別動向
(1) HRソリューション事業(人材派遣・受託)
売上高は前期比2.7%減の5,339百万円、セグメント利益は同11.9%減の1,215百万円と、減収減益で着地した。主因は、ゲーム業界向け人材派遣事業における市況悪化の影響にある。具体的には、ゲーム会社各社の採用意欲減退により派遣開始数が減少し、終了数が増加したことで、稼働人員数の積み上げに苦戦した。国内家庭用ゲーム市場のハード・ソフト市場が減少傾向にあることや、開発費の高騰、開発期間の長期化、海外企業の台頭などが、国内デベロッパーの苦戦につながり、全体の業績に影響を及ぼした。一方で、2023年4月より開始したフリーランスマッチング事業は、働き方の変化に伴う市場環境も相まって順調に成長し、稼働人員数を増加させた。受託事業や業務委託も堅調に推移し、売上減少幅を抑えることに貢献した。主要KPIである稼働人員数は、2025年3月期末で845名となり、前期末比で47名減少した。しかし、稼働率は依然として高い水準を維持しており、2025年3月期第4四半期では98.9%であった。

(2) HRソリューション事業(人材紹介)
売上高は前期比44.2%増の1,488百万円、セグメント利益は同54.9%増の530百万円となり、大幅な増収増益を達成した。主因は、インターワークスの人材紹介事業が業績に取り込まれたことによるものである。一方で、期初に公表された業績予想に対しては、売上高で89.3%の達成率にとどまり、計画を下回る結果となった。期初方針どおり新規コンサルタントの採用を控え、生産性の重視・改善に注力したものの、一定数のコンサルタントの離職による成約数の減少が主な原因である。成約単価は引き続き高水準を維持したが、コンサルタントの生産性には依然として改善の余地がある。

(3) メディア&ソリューション事業
売上高は前期比61.3%増の1,564百万円、セグメント利益は同91.5%増の535百万円と、大幅な増収増益で着地した。旧インターワークスのメディア&ソリューション事業で、応募・採用数向上による取引顧客数の増加が貢献したことが増収の主因である。2023年8月の合併以降、固定費削減に取り組み損益分岐点を引き下げた結果、安定的な利益を確保できる構造へと変化したことが大幅な利益増に寄与した。主要KPIである「工場ワークス」における求人掲載数、取引顧客数、顧客単価は、メディアプラットフォーム分散化に伴う集客力低下への対策として実施されたメディアパワー向上施策が功を奏し、堅調に推移している。自動車業界関連の求人減少といった外部環境の影響はあったものの、求人掲載数及び取引顧客数はいずれも堅調な推移を示している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 星 匠)

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