こんなにキレイなところもあるんです!(佐賀県唐津市の七ツ釜)
なぜ佐賀県の評価はこんなに低いのか──。ブランド総合研究所が発表する「2024年都道府県魅力度ランキング」では最下位。8月11日に放送された『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)の「不名誉ランキング」でも、佐賀県が「一生で行かなそうな県No.1」となった。同番組が全国3997人に聞いたところ、1位が佐賀の458票、2位が島根の312票、3位が福井の231票だったという。これに対し、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者・中川淳一郎氏は苦笑しつつも、「それでも佐賀の良さを知ってほしい」とアピールする。
* * *
まぁ、『夜ふかし』のランキングは、妥当な結果といえるかもしれません。人口が日本一少ない県は鳥取ですが、鳥取砂丘という観光名所の存在に救われましたね。結局この手のランキングって「イメージがあるかないか」なんですよ。そういった意味で、佐賀のPR不足は認めなければなるまい。そこは甘んじます。ただ、「一生で行かなそうな県」とはいっても、案外佐賀は観光資源が少ないわけでもなく、思っている以上にアクセスも良いので、行ってみる価値は十分あると思います。
アクセス面における最大の魅力は「福岡に近い」ということ。多くの人は九州の地理については、あまり分かってないのではないでしょうか。最北の福岡と最南の鹿児島は分かるでしょうが、他はあやふやな人も多いのでは。その中でも、中途半端に九州の中央らへんに位置する佐賀はもっとも場所が分からない。長崎は細長い形や数々の島から分かるが、佐賀は地図を見てもよく分からない。
こうした理由で、佐賀は「一生行かなそうな県」扱いされるんですよね。この手のランキングでの上位県を見ると、強烈な「何か」があるんですよ。だからそれがない佐賀がワースト1位になる。以下、私でも思い浮かぶものを挙げてみます。関東圏と関西圏は仕事やちょっとした観光で行く人も多いでしょうから、それらは除外します。
青森:ねぶた祭・恐山・リンゴ・十和田湖・大間のマグロ
秋田:あきたこまち・なまはげ・きりたんぽ・ハタハタ
山形:蔵王・天童の将棋・さくらんぼ・ラーメン消費日本一・ラフランス
岩手:盛岡冷麺・じゃじゃ麺・わんこそば・宮沢賢治・大谷翔平・あまちゃん
福井:恐竜・メガネ・東尋坊・越前ガニ
島根:出雲大社・宍道湖
鳥取:砂丘・水木しげる
香川:さぬきうどん・お遍路
徳島:鳴門の渦・阿波踊り・お遍路
愛媛:道後温泉・坊っちゃん・瀬戸内海の海産物・お遍路
高知:四万十川・坂本龍馬・カツオ・お遍路
大分:湯布院の温泉・別府の温泉・福沢諭吉
宮崎:プロ野球キャンプ・東国原英夫氏・マンゴー・鶏刺し
こうして考えてみると、確かに2位と3位の福井と島根はイメージが弱い印象。佐賀に関しては、全国的に有名なものは確かにない。「呼子のイカ」がかろうじて入るかもしれませんが、やや弱い。卑弥呼の本拠地だったのでは?という論争になる吉野ケ里遺跡にしても、奈良県にあると勘違いしている人も多い。明治時代前後の大賢人である大隈重信・辰野金吾・高橋是清などの名前を出しても渋過ぎてよく分からないでしょう。