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FiscoNews

【注目トピックス 日本株】グリーンズ:インバウンド需要と出店戦略で拡大基調を強化

*15:08JST グリーンズ:インバウンド需要と出店戦略で拡大基調を強化
グリーンズ<6547>は、全国で「コンフォートホテル」を中心に宿泊事業を展開するホテル運営会社である。ビジネス需要を取り込む都市型ホテルやロードサイド型ホテルを併せ持ち、レジャーとビジネスの両需要をバランスよく獲得している。さらに、「Ascend Hotel Collection」、「コンフォートホテルERA」などの、アップスケールブランドやレジャー向けホテルの開発を進めており、既存顧客層に加えて新しい需要層の獲得を図っている。ロードサイド立地を含む幅広いブランド戦略と、安定した財務基盤を背景とした出店余力は、同社の成長基盤を支える要素である。

同社の強みは、第一に「コンフォートホテル」を中心としたブランド力である。駅前の宿泊特化型ホテルが競争激化する中で、ロードサイド立地は競合が少なく、安定した稼働と収益を生みやすい。また、無料朝食や広めの客室などコストパフォーマンスの高い付加価値サービスによる差別化も同ブランドの価値向上に寄与している。第二に、多様なブランドポートフォリオを活用している点である。「コンフォートホテル」や「コンフォートイン」で中価格帯を中心に需要を確保し、「Ascend Hotel Collection」や「コンフォートホテルERA」では上位市場を開拓しており、幅広い顧客層に対応することで景気変動下でも収益を確保できる。第三に、人材育成とDX推進を両輪として強化している点である。セルフチェックイン機やキャッシュレス決済の導入によりオペレーション効率を高めつつ顧客に利便性を提供し、さらに従業員教育による接客品質の改善でリピーター獲得を進め、中長期的な成長を支えている。

2025年6月期の業績は、売上高49,645百万円(前年同期比21.2%増)、営業利益6,306百万円(同25.6%増)と大幅な増収増益を記録した。既存店売上の堅調な推移に加え、ロードサイド型「コンフォートイン」22店舗の新規出店が寄与し、客室稼働率はチョイスブランド全体で79.1%に達した。客室単価も前年比で7.6%上昇し、営業利益率は12%台に達するなど収益性も改善している。2026年6月期の通期業績予想は、売上高53,200百万円(前年同期比7.2%増)、営業利益6,500百万円(同3.1%増)で、引き続き増収増益基調が見込まれる。インバウンド需要の拡大と国内レジャー需要の底堅さを背景に、計画達成に向けて高い確度を有している。

中期経営計画「GREENS SUSTAINABLE JOURNEY 2028」では、2028年6月期に売上高600億円、営業利益70億円を目標に掲げ、客室数18,000室体制の実現を目指している。重点施策として、(1)需要を捉えた新規出店の加速、(2)レジャーブランドおよびロードサイド業態のビジネスモデル確立、(3)人材投資と組織風土改革を掲げる。特にアップスケールブランドの強化とロードサイド立地によるリスク分散は、今後の成長を支える柱となる。また、20億円規模の既存施設リニューアル投資を通じて顧客満足度を高め、ブランド価値向上を図っている。

株主還元については、安定配当を基本としつつ、成長投資とのバランスを取りながら還元強化を進めている。今期の配当は1株あたり40円を予定しており、2年連続の増配となる。今後も業績の拡大に応じて増配を中心とした積極的な株主還元が実施されることが期待される。

総じて、同社はロードサイド型という独自のビジネスモデルと多様なブランド戦略を武器に、持続的な成長基盤を構築している。高水準の配当利回りを維持しつつ、中期経営計画の遂行によって収益性と企業価値の拡大が期待されるため、今後の動向に注目していきたい。

<HM>

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