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【注目トピックス 日本株】丸運 Research Memo(2):貨物輸送とエネルギー輸送の両輪経営にも強みがある老舗の総合物流会社(1)

*12:02JST 丸運 Research Memo(2):貨物輸送とエネルギー輸送の両輪経営にも強みがある老舗の総合物流会社(1)
■会社概要等

1. 会社概要
丸運<9067>の創業は明治25年(1892年)9月で、創業130年を超える老舗の運送会社である。「利他自利(他人のために利益を図ることによって、初めて自らも利益を得ることができる)」という創業者スピリットのもとで、今日まで、明治、大正、昭和、平成、令和と連綿と経営を続け、幾たびかの困難を乗り切り発展を遂げてきた。

この創業者スピリットを発展的に継承した「お客さまの物流ソリューションを、最高の品質と創造力で提供し、社会の発展、企業の繁栄、個人の幸福に貢献します」という新たなミッションを加え、同時に「コンプライアンス行動の最優先」「環境マインドの醸成とサスティナブルな社会づくり」「人材育成・活用とダイバーシティの推進」などにも取り組むグループ経営理念を2015年12月に掲げた。2022年3月期からは以前より取り組んできたCSR経営を事業活動と一体化させ、さらなるグループの成長に結び付けるESG経営へ移行した。ESG経営の推進により、社会・経済活動のインフラを担い、持続可能な社会の実現に寄与していく。

総合物流企業として、北海道から九州までの幅広い地域で、物流センターをはじめとした保管・輸送の拠点を持つほか、海外でも現地法人を有し、顧客のニーズに応えている。海外では、中国に丸運国際貨運代理(上海)有限公司、丸運物流(天津)有限公司と2つの現地法人(5拠点)を有するほか、2017年8月にベトナム(ハノイ)で丸運物流ベトナムを現地法人化し、現在はフンイエン事務所、ホーチミン支店、ハナム営業所、ティエンザン営業所を展開している。2024年7月には、現地物流梱包事業会社と資本業務提携を結びベトナム事業のさらなる拡大を目指す。

海外拠点では、主に中国やベトナムでビジネスを行う日系企業を、ロジスティクス面で支えている。しかし中国ビジネスを取り巻く事業環境については、非常に厳しいものがある。中国ビジネスにおいては、日系の自動車部品メーカーの仕事を多く取り扱っており、コロナ禍以降、中国経済の鈍化に加え、EV化に伴う稼働の減少により、取扱い量が大きく減少している状況にあり、米中貿易摩擦等の現状を踏まえると、成長戦略の見直しが必要と思われる。キーワードとして、「設備移設」があり、製造設備等の中国から日本国内への移転・移設案件は増えてきており、この分野で強みを生かせる部分があるか模索している。ベトナム事業については、これまでも順調に事業を拡大しており、今般、現地物流梱包事業会社との資本業務提携により差別化を図り、さらなる成長を目指す。

物流企業とひと口で言っても、宅配便を中心としたヤマトホールディングス<9064>を代表とするBtoCをメインの事業とする企業と、企業物流のサポートを中心とするBtoBの企業に大別できるが、同社は後者に属する。そのため、メーカーの製造に関わる素材物流が景気動向によって活発化するか否かが収益を左右することが多い。

同社をセグメント別に見ると、2025年3月期の営業収益構成比率が最も高いのは貨物輸送事業で49%。これは一般的なトラック貨物輸送等が中核となる。また同社は主要な取引先がENEOSであることから、エネルギー輸送事業の構成比が35%と高く、石油や石油製品に関連するエネルギー輸送も多くを占める。このほか海外物流事業(12%)、テクノサポート事業(4%)となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)

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