先週の日経平均は週間で309.18円高
投資情報会社・フィスコが、株式市場の9月22日~9月26日の動きを振り返りつつ、9月29日~10月3日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で309.18円高(+0.69%)の45354.99円で取引を終了。先々週末の日経平均は、日銀金融政策決定会合で上場投資信託(ETF)の市場売却が決定したことを受けて急速に伸び悩む展開となっていたが、先週は週初から、過度な需給面への影響懸念が後退して反動高する展開となった。
週央にかけても堅調推移が継続。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が「株価は相当高い」などと発言したものの東京市場への影響は限られ、米中協議進展期待、為替の円安進行などが買い材料視されたほか、中間期末権利取りや配当落ち再投資などの需給期待も高まったもよう。ただ、週末は、利下げ継続への期待が後退したことで米ハイテク株が下落し、国内半導体関連株にも利食い売り圧力が優勢となった。前週19日の高値に関しては、先週更新することはできなかった。
なお、9月第3週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を2893億円売り越した一方、先物を6500億円買い越し、合計3607億円の買い越しとなった。2週ぶりの買い越しとなる。また、個人投資家は現物を354億円売り越すなど、合計299億円の売り越しとなっている。信託が5522億円の売り越しとなり、自己は1495億円の買い越しだった。
今週の株式市場の焦点は、週末に予定されている自民党総裁選の行方、並びに、米国で相次ぎ発表される雇用関連指標となるだろう。総裁選に関して、現状では小泉氏優勢の流れに傾きつつあり、党員票を今後よほど伸ばせない限り、高市氏勝利の可能性は低くなっている印象。総裁選への期待感が目先、一段の株高要因につながる公算は小さいとみられる。
今週の株式市場では、農業、カーシェア、環境、銀行、大阪銘柄などの小泉氏関連銘柄に、より市場の注目度が高まってくる可能性が高いだろう。逆に、小泉氏優勢が一段と強まるようであれば、防衛、核融合発電、原発、量子コンピュータ、サイバーセキュリティ、不動産など、高市トレード銘柄とされるものに手仕舞い売り圧力が強まる見通し。なお、前回の日銀金融政策決定会合からはやや日銀のタカ派姿勢も感じ取られ、小泉新首相の場合は早期の利上げが思惑視されることから、日銀短観の結果次第では、国内長期金利の上昇、為替の円高反転の動きなどがリスク要因となろう。
米国の継続利下げのカギは雇用情勢と考えられている。その意味で今週は、JOLTS求人件数、ADP雇用統計、新規失業保険申請件数、雇用統計など関連指標が多く、10月連邦公開市場委員会(FOMC)における利下げの確度を探る展開となっていこう。雇用関連指標が下振れた場合、景気の先行き懸念が強まるよりも、利下げ継続の可能性の高まりをポジティブに捉える動きが優勢になると考えられる。この場合、あらためて半導体・AI関連銘柄に対する期待感が高まり、相場の上昇を主導していくことになろう。9月末の配当権利が落ちたタイミングでもあり、バリュー株よりもグロース株に関心が向かいやすい局面でもあるとみられる。