資産20億円超の89歳現役トレーダー「シゲルさん」こと藤本茂氏
10月の日経平均株価は自民党総裁選での高市早苗氏の勝利を受けて史上最高値を大きく更新。その後、政権の枠組みが不透明になったことから一時調整も入ったが、依然として高値での取引が続く。そうしたなかで、割安な有望株をどう探せばいいのか。
総資産20億円超の89歳現役トレーダー・シゲルさんと総資産約3億円の48歳サラリーマン投資家・弐億貯男氏の対談(週刊ポスト4月28日発売号掲載)では、トランプ関税ショックをどう見るかがテーマだったが、2人が割安な有望株をどう探すかについても話が及んだ。
シゲルさんは短期売買だけでなく、中長期的な目線で「増収・増益・増配」が見込める銘柄を選び、「安く買って高く売る」ことを徹底してきたこと強調した。対談時ではトランプ関税の影響で株価が大きく下がっていたが、それをむしろチャンスと捉えていた。
配当利回りは何%ほしいか?
シゲル:株価が割安かどうかみる指標は、私の場合、「RSI(相対力指数)」やな。これが70%以上なら買われすぎ、30%以下なら売られすぎと判断する。
弐億:シゲルさんはデイトレを得意としているからテクニカル分析もしっかりされていますよね。私はゴールデンクロスやデッドクロスといった言葉は知っていますが、基本的にテクニカル分析はやっていない。これだけ長い間、分析を続けているのは本当にすごいですよ。ところで、この先も混乱は続くと予想されますが、初心者はどのような銘柄に注目するといいでしょうか。
シゲル:とにかく「増収・増益・増配」の銘柄を安いところで買う。安いところで買って、高いところでは買わないことを徹底する。そのためには「RSI」を見て、売られすぎと判断したら買う。高いところでは買わない。新NISAで積み立てている投資信託などは動じないでそのまま続けていけばいい。業界で言うと、トランプ関税の影響で「自動車」や「半導体」関連銘柄が売られていますが、長期で有望なことに変わりはないから、下がっているところは買いでいいと思いますよ。
弐億:「増収・増益・増配」の銘柄を狙うというのは全く一緒です。混乱して連れ安になっている銘柄は、売り時ではなくて買い時だと思っています。増収増益の目安としては、売上高と営業利益がともに10%以上伸びていること。それだけの成長が期待できるのに割安な銘柄を見つける場合、私はPER(株価収益率)を判断材料にします。
これは初心者にもわかりやすい指標だと思っています。目安としては、基本的に「PER15倍以下」だと割安と判断します。それから配当利回りが高くて、かつ「増配」傾向にあるといいですね。配当利回りが高ければ株価の底支えになるので、株価も下がりにくいと言えるでしょう。目安としては「配当利回り3%以上」で、それくらいあると株価の底支えになり、株価も下がりにくい。
シゲル:それじゃ少ないし、そんな銘柄はザラにあるでしょう。やはり4~5%はほしいところ。株価が下がっていれば配当利回りは上がるし、なおかつ増配している銘柄が狙い目やね。
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億り人たちの銘柄選びの知恵を参考に、最高値圏の相場での戦い方を考えたい。
【プロフィール】
藤本茂(ふじもと・しげる)/19歳で株式投資を始め、1986年に転換社債の投資を機に専業投資家になる。66歳でパソコンを買い、ネット取引に移行。70年間、個人投資家として相場に挑み、現在の資産は20億円を超える現役トレーダー。「投資に年齢は関係ない」がモットー。
11月2日16時から、マネーポストWEB「プレミアム会員限定」ライブ動画配信『《最新注目銘柄も公開!》89歳現役トレーダー・シゲルさんが教える 資産20億円を築いた投資術』に登場予定。
弐億貯男(におく・ためお)/サラリーマン投資家。株式投資で生涯賃金2億円を貯めることを決意し、2003年8月に投資元本250万円からスタート。割安成長株の中長期投資で年率30%を上回るリターンを続け、2019年に資産2億円を達成。2029年に5億円達成を目指す。