今週のドル円注目ポイントは?
投資情報会社・フィスコが11月10日~11月14日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は伸び悩みか。米金融当局者の間で今後の政策方針が分かれるものの、米国経済の不透明感で次回会合(12月)での追加利下げ観測は根強い。また、日本銀行の12月利上げが意識され、円買いも入りやすい。米政府機関が1カ月以上も閉鎖され、金融政策決定を左右する重要指標である雇用統計は9月、10月分の発表が延期されている。米連邦準備制度理事会(FRB)の年内利下げ観測は後退しているが、シカゴ連銀の試算で失業率は上昇中。今週予定される10月の消費者物価指数(CPI)と小売売上高の発表が延期された場合、インフレと個人消費の直近における動向を把握することは難しくなるため、ドルは積極的に買いづらい。
一方、先の日米財務相会談でトランプ米政権が円安をけん制した可能性があることを米国財務省が示唆した。日本銀行による12月利上げ観測は消えていないため、円売りは抑制されよう。
【米・10月コアCPI】(13日発表予定)
13日発表の米10月コアCPIは前年比+3.0%、コア指数は同+3.00%の見通し。インフレ緩和の兆候は確認されていないが、10月の数値が市場予想を下回った場合はドル売り材料となる。
【米・10月小売売上高】(14日発表予定)
14日発表予定の米10月小売売上高が前月比プラスとなった場合、消費改善による景気の押し上げが期待され、ドル買い要因となり得る。
