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中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

「自分、工業高校に行ってよかったです」仕事がひっきりなしに舞い込む“一人親方”溶接工の思い AIが普及し始めても存在感を放つ“手に職を持つ”ブルーカラーの現場仕事

「発注主は私の腕にお金を払ってくれている」

 というわけで、AI時代が到来しているといっても、ブルーカラーの職業はその存在感を発揮しているのです。その好例を紹介しましょう。

 私の友人のA氏(40代男性)は溶接工です。ここ数年、博多で大型施設の建設ラッシュがあるため、彼には仕事が多数回って来る。会社に所属するわけではなく、フリーランスのいわゆる「一人親方」のため、自分の順番になってからが仕事の開始です。

 ビル建設では、柱を立ててから床や壁を作っていき、少しずつ上に上がっていきますが、A氏は各階の中盤~後半作業にあたる溶接です。ボルトで締められた部分の周辺等をさらに強化すべく、溶接作業を行う。ここはもう少し強くしなくてはいけないな、といった判断や、改修作業の際のひびの発見・修復などは、やはり職人が目で見てやらなければならないとのこと。

 今年6月は一緒に何度も釣りに行ったのですが、聞くと2月から6月第一週までは休みが一切なく、6月第二週からやっと2週間以上の休みが取れたので、私と一緒に釣りに行けているのだと語っていました。

「自分、この一人親方の働き方好きですね。誰かを指導する必要もないし、誰かを管理したりシフトを組んだりする必要もない。上司もおらず、あくまでも発注主が依頼したことをその日に行って時間内にやればいい。発注主は私の腕にお金を払ってくれているので、仕事をこなせばいいだけです」(A氏)

 一人親方として仕事の発注が来るほどの腕前だけに、当然報酬はいいわけで、40代の同世代サラリーマンが1ヶ月で稼ぐ給料は、「10日ほど働けば稼げる」そうです。

 さらに、「工業高校に行っててよかったです。自分、大学に行っても意味がないと思ってましたが、やっぱそうでしたよ」とのこと。結局、AIがどれだけ進化しても、現場では人の手が必要なことは無限にある。特に、溶接工のような仕事は、そう簡単に替えが効かないのでしょう。

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