今週のドル円注目ポイントは?
投資情報会社・フィスコが12月8日~12月12日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は伸び悩みか。米連邦準備制度理事会(FRB)は12月9-10日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25ptの追加利下げを決定する公算が大きい。追加利下げはある程度織り込まれているため、2026年に向けた金融当局者の金利見通しで一段の緩和に慎重なら、ドル売りは抑制されるだろう。ただ、米ホワイトハウスはパウエルFRB議長の後任に金融緩和に前向きとされる候補者を送り込む方針で、ドル売りを後押しする手掛かりになろう。他方、日本銀行植田総裁は先日行われた講演で追加利上げに前向きな姿勢を示し、今月18-19日開催の金融政策決定会合で追加利上げが決定されるとの見方が広がっている。賃金関連統計が改善すれば利上げ観測となり、円買い圧力が強まる見通し。
ただ、すでに利上げは織り込みが進み、利上げ決定後にリスク回避的な円買いが一段と強まるとの見方は多くないようだ。また、可能性は低いものの、大方の予想に反して政策金利の据え置きが決まった場合、リスク選好的な円売りが急拡大する可能性がある。日本の財政悪化懸念は払拭されていないことも問題視されており、日銀による追加利上げを受けてもドル円は152円台を維持する可能性が高いとみられる。
【日・10月現金給与総額】(12月8日発表予定)
12月8日発表の10月現金給与総額が9月実績(前年比+2.1%)を上回った場合、日本銀行による利上げ期待を後押しする材料になり、円買い要因に。
【FOMC】(12月9-10日開催予定)
FRBは12月9-10日にFOMCを開催し、追加利下げに踏み切る公算。0.25%の政策金利引き下げが織り込まれ、来年の政策方針も緩和に慎重ならドル買い材料となる。
